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宮間 V弾PKで3大会連続初戦ゴール!なでしこ白星発進

[ 2015年6月10日 05:30 ]

前半、PKを決めてガッツポーズの宮間(AP)

女子W杯カナダ大会1次リーグC組 日本1―0スイス

(6月8日 バンクーバー)
 主将の一撃で白星発進だ。連覇を狙うなでしこジャパンは8日(日本時間9日)、1次リーグC組初戦でスイスと対戦し、1―0で勝利を収めた。前半29分にMF宮間あや(30=岡山湯郷)が3大会連続の初戦ゴールとなる決勝のPK弾。節目の150試合出場を果たした司令塔が、自ら祝砲を上げた。勝ち点3を獲得したなでしこは得失点差で2位につけ、第2戦は12日(同13日)に同組首位のカメルーンと対戦する。
【女子W杯 試合結果】

 全神経を右足に込めた。前半29分、安藤がGKと交錯して獲得したPK。キッカーの宮間は呼吸を落ち着かせ、一気に助走に入る。「安藤選手が体を張って得たPK。何が何でも決めないといけないという思いだった」。仁王立ちするGKが届かないように、左隅へ低い弾道のシュートを放った。「自分の決めた方向に思い切って蹴った」。シュートに反応したGKの届かないぎりぎりの位置を射抜き、07、11年に続く3大会連続のW杯初戦ゴールだ。両拳を握った主将の元に、歓喜の輪が出来上がる。白星を導く決勝弾となった。

 前回大会後、大黒柱の澤からキャプテンマークを受け継いだ。その4年間をぶつける舞台が始まるロッカールーム、そこには決意に満ちた主将の姿があった。輪になったチームメートに向かって、静かに語りかける。「ここにいる人たちは、選ばれてきている23人。ここに来ていることに自信を持って、自分を信じて、味方を信じて、来られなかった人たちの分も頑張ろう。初戦に勝って、優勝しよう」。その直前には大野と大儀見がglobeの「FACES PLACES」を熱唱。和やかなムードの選手たちを、戦う集団に変えた。連覇を目指すために4年間があった。初戦からつまずくわけにはいかなかった。

 ダブルの節目を白星で飾りたかった。この試合で自身は150試合出場を達成。澤は日本男女を通じて初となる200試合に到達した。「私と澤さんでは50試合の差がある。(澤の)200試合を勝利で飾れてうれしく思う」と笑う。大黒柱の澤が代表から遠ざかった1年間も互いの自宅を行き来し、食事をしながら語り合う仲。バンクーバー入り後の練習では、澤の下ろしたてのスパイクをあえて踏んだ。新しい勝負靴でケガをしないためのおまじないだ。大好きな先輩とともに迎えた記念すべき試合での勝利。スタンドのファンから花束を受け取った2人の笑顔がはじけた。

 PK弾で試合のMVPに選ばれた宮間は「本当に初戦の難しさを感じた。勝ち点3を取れたのはチームにとってプラス」と胸をなで下ろす。連覇への戦いは始まったばかり。再び頂点に立つ瞬間まで、主将は緊張の糸を張り続ける。

 【宮間のW杯1次リーグ初戦弾】

 ▽07年中国大会 9月11日に上海でイングランドと対戦。0―0の後半10分に約23メートルの直接FKを決めて先制。1―2の後半ロスタイムにもゴール前約25メートルの位置でFKを得ると右足でゴール左隅に突き刺し、チームを敗戦から救った。

 ▽11年ドイツ大会 6月27日にボーフムでニュージーランドと対戦。1―1の後半23分、FW岩渕がドリブルで仕掛け、ゴールほぼ正面17メートルの位置でのFKを得ると、壁6枚を越えるキックを右足から放ち、ゴール右上に勝ち越し点を決めた。

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