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“ルフィGK”になる!山根 スイス戦スタメン有力で完封に意欲

[ 2015年6月6日 05:30 ]

W杯出場選手の中で最長身を誇るなでしこジャパンGK山根

 女子W杯カナダ大会に臨むなでしこジャパンは4日、バンクーバーで非公開での2部練習を行った。8日(日本時間9日)の1次リーグ初戦スイス戦ではGK山根恵里奈(24)の先発が有力となり、1メートル87の長身守護神は相手が多用するクロス対策として積極的な飛び出しではじき返す構え。高さだけでなく、リーチの長さも生かして完封を狙う。大会は6日(同7日)に開幕する。

【なでしこジャパンメンバー 女子W杯日程】

 “ゴムゴムの山根”が、アルプス山脈を制圧する。長身選手のそろうスイスは、バリエーションの多いクロス攻撃が持ち味の一つ。「(自分に)高さがあっても相手も考えてくる。低いクロス、アーリークロスにも対応しないといけない。いろんな状況を予測して、高さだけでなく(手の)長さも生かさないと」。スイスの映像を研究した山根は強烈なパンチングでクロスをはじき返すイメージを頭に焼き付けた。

 身長は男子代表守護神の川島よりも高い1メートル87。存在感が際立つが、W杯は初出場の秘密兵器だ。人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」で「ゴムゴムの実」を食べた主人公ルフィは体がゴムのように伸びるようになった。もちろん山根の体はゴム製ではないが、フランスのDFルナールと並ぶ今大会最長身で、2メートル44のゴールバーにも背伸びすれば手が届く。積極的な飛び出しを見せれば、1メートル70~80台の長身がそろう相手よりもはるかに高い打点でキャッチが可能だ。仮想スイスと位置付けた5月24日のニュージーランド戦でも、果敢な飛び出しでクロス攻撃を阻止した。完封に貢献した実績もあるだけに期待が高まる。

 この日からFIFAが割り当てた人工芝グラウンドで練習となったが、くしくも隣のグラウンドではスイスが汗を流していた。ライバルがアーリークロスの練習を繰り返す横で、非公開で行われたなでしこの紅白戦で山根は先発組でプレー。味方との連係を深めた。敵将フォステクレンブルク監督や相手選手は会見で宮間や澤、さらに欧州組を警戒したが、山根の名は挙がらなかった。過去に対戦経験のないスイスとの初戦。佐々木監督が育て上げた“世界基準”の長身を誇る守護神が、ひそかにデビューを待つ。

 「私みたいな身長の高い女子GKはいない。新しいタイプのGK像をつくり上げないといけない」

 前回11年ドイツ大会の決勝MVPの海堀、ベテラン福元とのGK争いに終止符を打った24歳が、制空権を握る。

 ▽ONE PIECE 尾田栄一郎作の少年漫画で、海賊となった少年ルフィを主人公とした海洋冒険活劇。週刊少年ジャンプ(集英社)で97年から連載中で、第77巻まで発行されている単行本は国内最高記録の累計3億部を突破。テレビアニメや映画も人気で、劇場版第12作「FILM Z」の最終興行収入68億7000万円は12年の邦画ランキング2位だった。

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