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W杯初戦“脱なでしこ”覚悟!序盤25分はハイプレスに耐える

[ 2015年6月5日 05:30 ]

偶然にも練習時間が重なった地元大学アメフトチームに興味津々の佐々木監督、大野、安藤、澤(左から)

 6日(日本時間7日)開幕のW杯カナダ大会に臨むなでしこジャパンは3日(同4日)、異例の非公開練習を敢行した。練習前のミーティングでは8日(同9日)に1次リーグ初戦で対戦するスイスの映像を確認。試合開始から25分もの間、ハイプレスを続ける相手に対し、序盤は持ち味のポゼッションを捨てることも辞さない構えを見せた。

【なでしこジャパンメンバー 女子W杯日程】

 白星発進へ、なでしこのキーワードは“25分の忍耐”だ。この日午前、バンクーバーの宿舎でミーティングが行われた。選手が見つめた映像には、前線からガツガツと圧力を掛けるスイスの姿が映っていた。「(試合開始から)25分以上も前からプレスを掛け続けていた。どこまで続くのか怖いものがある」と鮫島が明かすように、選手たちは警戒を強めた。

 最低でも25分、理想を捨てることも視野に入れる。「立ち上がりのバックパスのミスから失点するのはダメ。ボールをつなぎたいけど、難しい時は前に(ボールを)出してラインを上げることが大事」と鮫島。デュイスブルク時代に敵将のフォステクレンブルク監督の指導を受けた安藤は「凄い熱い人。ミーティングも熱くて、気持ちを前面に押し出す」と特徴を分析。さらに「裏を取れる可能性があるので(ボールを)はね返すことが大事」と言った。相手が最終ラインでのパスワークを全力で封じに来たら、一気にボールを前線に展開。味方の距離を縮めてセカンドボールを拾い、攻勢に出るというのがなでしこの描く青写真だ。

 日本の武器であるポゼッションに対抗するため、世界中が研究したのがハイプレスだった。仮想スイスと位置付けた3月のアルガルベ杯初戦のデンマーク戦では序盤から猛プレスに襲われた。連係ミスからボールを失い、前半2分に失点。再びスイスを想定した5月24日のニュージーランド戦も前半24分の澤のゴールで意気消沈させたが、中盤から最終ラインへのプレッシャーにリズムを失っていた。連覇を成し遂げるためポゼッションを捨てる時間帯も必要だ。

 スイス対策を行ったミーティングを踏まえ、午後は非公開練習だった。佐々木監督が「秘密特訓するよ」と言った通り、試合前日の公式練習以外でクローズとなるのは極めて異例。“ノリのカーテン”で、集中した環境で紅白戦を行った。首位通過のためには、スイス戦での結果が大きく影響する。猛プレスをかいくぐる勝負の25分。連覇の懸かるなでしこは想像の先を行く。

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2015年6月5日のニュース