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ハリル監督 超細かっ!コンディション別、走る距離2メートル刻み

[ 2015年6月3日 05:30 ]

走力強化のトレーニングに励む(左から)酒井宏、原口、吉田、長谷部、大迫、清武、川島

 欧州組による合宿中の日本代表は2日、千葉県内で2部練習を行った。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は既にシーズンを終えている選手のコンディションを合わせるため、状態によって負荷を変える超緻密なフィジカルトレーニングを敢行。11日の親善試合イラク戦(日産ス)、16日のW杯アジア2次予選シンガポール戦(埼玉)に向けて、各選手の体調を徹底管理していく。

 走る距離を数メートル単位で操作して、ハリルホジッチ監督が各選手のコンディションをコントロールした。午前に行われたピッチの半周を30秒でランニングするインターバルトレーニング。合宿初日の1日の練習で計測した心拍数の数値をもとに、走行距離が設定された。酒井宏の165メートルを最長に、長谷部、清武らが163メートル、吉田、大迫が161メートル、川島は159メートルを激走。全選手にハートレートモニターが着けられ、心拍数の上下動が随時、チェックされた。

 計12本を走ったが、負荷を上げ過ぎた川島は8本目、吉田は10本目でストップがかかり終了。練習後に選手には数値をグラフ化した用紙が配布され、計測値はすぐにフィードバックされた。午後練習前に、指揮官は大迫、原口、酒井宏、清武を呼び「まだまだコンディションに改善の余地がある」と指摘。清武は「しっかりと管理されている。積極的に取り組んでいきたい」と前を向いた。

 シーズンを終えた欧州組は今季最終戦の時期が違うため、コンディションはバラバラ。霜田技術委員長は「試合までに選手の状態を合わせるために走る距離を変えている」と説明した。日本は昨夏のW杯ブラジル大会の事前合宿で全選手が同じフィジカルトレーニングのメニューを行い、トップコンディションで本番を迎えられない選手がいた苦い経験がある。惨敗の一因にも挙がっただけに、日本協会として1年前の反省を生かすことを考えていたが、ハリルホジッチ監督に助言する必要はなかった。

 午後はサーキット、ミニゲームなどが行われ、午前、午後を合わせた練習時間は計約4時間。長谷部は「監督は“週末にはかなり疲れがたまるだろう”と言っていたが、その辺も計算しているようだった。シーズン後にこんなに走った記憶はないけど、今まで通りならダメということ」と力を込めた。イラク、シンガポール戦に連勝するため、完璧主義者の指揮官はどこまでも緻密にイレブンのコンディションに目を光らせる。

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