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なでしこ連勝締め!!大儀見 W杯連覇へ“号砲ボレー”

[ 2015年5月29日 05:30 ]

イタリアに勝利し、澤(右)と笑顔を見せる大儀見

 6月6日開幕のW杯カナダ大会に臨むなでしこジャパンは28日、長野市でイタリアと対戦し、1―0で勝利を飾った。後半7分、FW大儀見優季(27=ボルフスブルク)が決勝ゴール。フラストレーションのたまっていたエースストライカーがW杯前ラストマッチで結果を残し、世界連覇へ弾みをつけた。なでしこジャパンは6月8日にスイスとの1次リーグ初戦を迎える。

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 W杯連覇へ、絶対エースが号砲を鳴らす一撃だ。後半7分、大儀見は宇津木の左クロスに鋭く反応。DFに体を寄せられながらも右足を伸ばしてボールの軌道を変えた。ゴール左に吸い込まれた技ありの先制点は、昨年10月28日以来、実に7カ月ぶりとなる代表通算53点目となった。

 「相手にとって嫌なタイミングでのクロスに、体が自然と反応した。結果もそうだけど、内容もイメージ通りに近い。コンディションも良くなっていて、自信になった」。冷静に振り返ったストライカーだが、ゴール直後は右拳を振り上げてガッツポーズ。喜びを爆発させた。

 モヤモヤを吹き飛ばした。前半、何度もゴール前に攻め込んだが、シュートまで持っていけなかった。耐えかねた同26分には相手DFに猛プレス。ボールを奪って右足を振り抜いたが枠を外した。相手は過去7戦7敗ながら、W杯カナダ大会に出場しないイタリア。W杯前のラストマッチで無得点に終わるわけにはいかなかった。「良い状態で挑める感触がある。自信につなげていきたい」。自身のゴールで本番へ弾みをつけた。

 連覇の懸かる世界舞台へ、準備は万端だ。11年の前回大会はニュージーランドとの1次リーグ初戦で得点したが、個人技に走って準決勝から先発を外された。優勝決定直後にあふれた悔し涙が4年間の原動力となった。ポツダムでは欧州CL制覇を達成し、12~13年シーズンはドイツリーグ得点女王に輝いた。それでもゴールを突き詰める求道者は満足しない。今年1月にチェルシーからドイツの名門ボルフスブルクへあえて移籍。「競争が自分を強くするから」。自己主張しなければパスが来ない。世界屈指のストライカーに成長してもなお、悔し涙が止まらないこともあった。全ての経験が絶対エースをさらにたくましくした。

 善光寺御開帳で沸く長野県で決めた鮮やかな決勝弾。調子を落としていたエースも覚醒の予感だ。「やるからには連覇を目指す。簡単ではないけれど、それに挑む楽しさがある」。前回大会の澤に続いて、得点女王を目指す夢もある。このゴールをきっかけになでしこのゴールハンターは上昇気流に乗っていく。

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