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澤VS宇津木 ボランチ争奪戦勃発!容赦ないスライディングも

[ 2015年5月20日 07:52 ]

ボールをキープする宇津木(左)に激しくスライディングタックルする澤

 6月6日開幕のW杯カナダ大会に臨むなでしこジャパンは19日、香川県丸亀市内での国内合宿2日目の練習を消化した。本格的な2部練習が始まり、1年ぶりに代表復帰したMF澤穂希(36=INAC神戸)はMF宇津木瑠美(26=モンペリエ)に強烈なスライディングを仕掛けるなど、ライバルに手加減なし。攻守の要であるボランチのし烈な定位置争いが勃発した。

 静かな練習場に、衝撃が走った。「カツン!」。思い切りスライディングを仕掛けた澤の右足が、宇津木の左足スパイクに激突した。佐々木監督がかつて“カミソリ・スライディング”と形容した澤の得意技。午前に行われたハーフコートでの7対7のミニゲームから一切、容赦はしない。「練習から一生懸命やらないと。練習からできないことは試合で出せない。練習から激しさが必要」と涼しい顔だ。同じボランチで対峙(たいじ)した2人は球際で激しくぶつかり、削り合って、火花を散らした。

 し烈なボランチ争奪戦への号砲だ。地元の強豪・香川西高の男子を相手にした午後の練習でもバチバチ。フィジカルで差のある男子にためらいなく、体をぶつけてボールを奪う。主力組のダブルボランチとして臨んだ同校とのフルコートのゲームでは「バランスにこだわらずに行く時は行くことにした。積極性を失うと意味がない」。高校生からボールを奪うと、一気に視野の広いパスで好機を演出し、佐々木監督にアピールだ。

 午後の練習では久々に澤とボランチのコンビを組んだ宇津木も、負けていない。キック力を生かした長短のパスで、ダイナミックさをプラス。機を見てゴール前に攻め上がり、右足でこぼれ球を振り抜くなど“色”も出した。「一回のチャンスで試合は決まってしまう。無謀なチャレンジも時には必要」と存在感を示した。ボランチはこの日、別メニューで調整した阪口のほか、さらには司令塔の宮間もこなすことができ、競争は激しい。宇津木は「状態がいい選手が試合に出る。試合に出られなかったとしても、それはチームの方針」と争いを歓迎だ。

 前回大会3冠の絶対クイーンと、3月のアルガルベ杯の奮闘でその座を手中に収めようとしているクール・ビューティー。同じポニーテールの2人のバトルが、チームへ世界連覇への緊張感をもたらした。

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