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バルサまず1冠!今季退団濃厚シャビへの“有終3冠”に弾み

[ 2015年5月19日 08:28 ]

リーグ優勝を決め、喜ぶバルセロナの選手たち(AP)

 バルセロナが08~09年シーズン以来の3冠へ、まず1冠を獲得した。リーガ・エスパニョーラ第37節の10試合が17日に行われ、バルセロナはFWリオネル・メッシ(27)のゴールでアトレチコ・マドリードをアウェーで1―0と撃破。1試合を残し、2季ぶり23度目の優勝を決めた。主将の元スペイン代表MFシャビ(35)は後半37分から出場。自身8度目のリーグ制覇をピッチ上で迎えたが、11歳で下部組織に加入したクラブを今季限りで去ることが濃厚だ。

【リーガ・エスパニョーラ動画 順位表 得点ランク】

 後半37分。バルサの背番号6がベンチ前に姿を見せると、敵地ビセンテ・カルデロンの観客はスタンディングオベーションで迎えた。リードを許しているAマドリードのファンが温かい拍手を送る姿に、サッカー史に名を残す司令塔の現状が表れていた。MFイニエスタとの交代でわずかな時間をプレーしたシャビは優勝決定後、目を真っ赤にしてチームメート全員と抱擁を交わした。

 3月28日。11年クラブW杯3位のカタールの強豪アルサドが、シャビの入団合意を公式サイトで発表。シャビも昨年のクリスマスと今年3月のカタール滞在が報じられ移籍交渉に臨んだとみられる。提示されたのは年俸1000万ユーロ(約13億6000万円)の3年契約。下部組織の指導者を兼務する条件付きだった。本人は固く口を閉ざしているが今夏の移籍は確実視されている。

 昨年6月。スペイン代表がW杯ブラジル大会1次リーグで敗退し、シャビは友人や記者へ「代表とバルサを後にする時が来た」とメッセージを送った。16年まで契約を結ぶバルセロナで主役ではなくなりつつある現状を自覚したものとみられ、事実を知ったクラブは慌てて慰留工作を開始。かつて一緒にプレーしたルイス・エンリケ新監督が説得にあたり、シャビも残留を決めた。だが、同監督が「出番は減る」と正直に伝えた通り、今季はリーグ戦30試合に出場も先発は18試合のみ。プレー時間も計1702分と、チームの1試合平均で約45分にすぎない。

 昨年10月25日。Rマドリードとの「クラシコ」に先発起用されたシャビは精彩を欠き、敗因の一人と糾弾された。チームはその後、メッシ、スアレス、ネイマールの「MSN」による縦への速い攻撃が明確となり、シャビやイニエスタがパスワークで崩す「ティキ・タカ」は影を潜めた。フィジカルの衰えが顕著で、守備でも機能しないシャビに代わり先発に定着したのは、ボール奪取能力が優れ、ロングカウンターも武器とする27歳のラキティッチだった。パス成功率は今季も90%を超える。

 バルサを3度の欧州CL制覇、スペイン代表を10年W杯南アフリカ大会優勝に導いたテクニックは健在だが、パス本数が昨季比30%減のチームではもはや脇役でしかない。スペイン国王杯(決勝30日)、欧州CL(決勝6月6日)と合わせた3冠挑戦が、25年間在籍した地元クラブでのキャリアの締めくくりとなりそうだ。

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