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大久保 ハリル監督に“御礼V弾”代表候補28人中唯一のゴール

[ 2015年5月11日 05:30 ]

名古屋戦の前半、先制ゴールを決め、船山(左)に祝福される川崎F・大久保

J1第1S第11節 川崎F1―0名古屋

(5月10日 豊田ス)
 大久保がハリルジャパン選出御礼弾だ。川崎FのFW大久保嘉人(32)が日本代表候補選出後、初めてとなったアウェー、名古屋戦の前半終了間際に決勝ゴールを決め、クラブを1―0の勝利に導いた。代表候補28人の中で、唯一のゴールで、その決定力の高さを見せつけた。浦和は敵地で仙台に4―4で引き分け、首位を守った。
【試合結果 J1順位表 得点ランキング】

 前半終了直前だ。レナトが右へ展開すると、攻撃参加していたエウシーニョが中に切れ込み、ゴール前へ低く早いクロスを入れる。そこに走り込んで来たのが大久保だった。左足のインサイドで合わせて今季8点目。J1通算141点目はチームの連敗を3で止める決勝点になった。

 「名古屋のDFは一瞬ボールを見るので、その瞬間、前に入ろうと思った。先に入るとマークされる。だから、点での勝負。どこにパスが来ても、どこかに当てられるようにしていた」。ゴール前で待たず、あえて遅れてDFの前に入り、一瞬のタイミングで合わせる大久保ならではの技術とセンス。Jリーグ通算4位の得点を重ねた男にしかできないものだった。

 12日から始まる日本代表候補合宿に招集されたことへの御礼弾。スタンドに代表スタッフはいなかったが、心意気は通じたはず。「得点して勝って行ける。気持ちよく行ける」と昨年のW杯ブラジル大会以来の代表に、大久保は笑顔を見せた。

 チームにとっても大きなゴールだった。主将の中村が左足を痛めて欠場する大ピンチ。キャプテンを託された大久保はプレーだけでなく、時には大声で味方を?咤(しった)激励した。「3連敗していたし、みんなの気迫が違った。ケンゴさん(中村)がいないから勝てなかったとは、みんな言われたくなかったと思う。帰ってきた時にいい雰囲気でできればね」。中村―大久保のホットラインがなくてもチームを勝利に導き、これまでとはひと味違うところも見せた。 

 この日は母の日。母・千里さん(60)へは代表に選ばれたことを報告すらしていないというが、ゴールの便りこそ最高のプレゼント。「丈夫な体に生んでくれたことをありがとうと言いたい」と、笑顔で感謝の言葉を贈った。

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