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ドルト監督退任、名将クロップよどこへ行く?有力クラブが次々浮上

[ 2015年4月28日 08:50 ]

日本代表MF香川真司らを育てた名将クロップ氏の去就が注目されている

 日本代表MF香川真司(26)らを育てた名将の新天地はどこ?08年からドルトムントを率いてきたユルゲン・クロップ監督(47)が15日、不振の責任を取る形で今季限りの退任を発表。来季は他クラブで指揮を執ることに意欲を見せたことから、英国、スペイン、イタリアなどで去就報道が過熱している。候補といわれるクラブの監督もコメントし、英ブックメーカーでは賭けの対象となるなど騒動の広がりを追った。

 “クロップ騒動”といえる状況に本人がクギを刺した。23日の会見で「プレミアリーグが私のことをどう思うと興味はない。今シーズンを楽しみたいだけだ」と、残りわずかとなったドルトムントでの指揮に集中する姿勢を強調。一方で、このコメントによって英国での大々的な報道が本人の耳まで届いていることが明らかになった。

 ただしマスコミの臆測を呼ぶことになったのも本人の発言だ。15日の退任会見で「他クラブから接触はないが、休暇を取るつもりもない」と来季も指揮を執る意向を表明した。そこで新天地の有力候補として浮上したのが英プレミアリーグ。昨年11月に英メディアに「ドイツの次に働くとしたらこの国だけだ。理由は言葉(英語)が話せるから。話があれば聞く準備はある」と意欲を示していたことも背景にある。

 退任会見後から英各紙はマンチェスターC、アーセナル、リバプールなどのビッグクラブが候補と報道。中堅ウェストハムのオファーは本人から拒否されたとも伝えられた。もしクロップ監督が就任する場合は“クビ”となる指揮官も騒動に巻き込まれる形となり、マンチェスターCのペジェグリーニ監督は「(解任について)オーナーから何も聞いていない」と反発。アーセナルのベンゲル監督は「正直言ってこの“サーカス”はバカらしい」と報道の過熱ぶりに苦言を呈した。

 スペイン紙アスは、Rマドリードがタイトルを逃せばアンチェロッティ監督が解任され、その後任候補となると報道。イタリアのテレビ局メディアセットは日本代表MF本田が所属するACミラン、ナポリが獲得に動いていると報じた。ドルトムントをブンデスリーガ2連覇、欧州CL準優勝に導いた名将は、英国だけでなく欧州主要リーグで引く手あまたという状況だ。また英ブックメーカーでは賭けの対象となり1番人気はマンチェスターCの2・2倍。静かに花道を飾りたいという本人の希望とは裏腹に次の就職先が決定するまで“狂騒曲”は続くことになりそうだ。

 ◆ユルゲン・クロップ 1967年6月16日、西ドイツ・シュツットガルト生まれの47歳。現役時代は当時2部のマインツ一筋でDF、FWとしてプレー。01年2月に3部降格の危機にあったマインツの監督に就任し、04~05年に初の1部昇格に導いた。08年にドルトムントの監督に就任。10~11年にC大阪から加入したMF香川をトップ下に抜てきし、低迷していた古豪に9季ぶりのリーグ優勝をもたらすと、11~12年はリーグ連覇とドイツ杯の2冠を達成。13年10月に18年までの契約を結んでいたが、今月15日にクラブと契約解消に合意し、今季限りでの退任を発表した。

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