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視察ハリル監督肩すかし…本田も長友もミラノダービー出番なし

[ 2015年4月21日 08:00 ]

試合後半にウオーミングアップするインテル・ミラノの長友(左)とACミランの本田

セリエA第31節 インテル・ミラノ0―0ACミラン

(4月19日)
 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(62)が、肩透かしを食らった。19日のミラノダービーを視察したが、FW本田圭佑(28=ACミラン)、DF長友佑都(28=インテル・ミラノ)の日本代表選手はともに出場機会なし。指揮官は日本人ダービーを優先して18日のJリーグを視察せずに渡欧したが、欧州視察行脚は収穫の乏しいスタートとなった。

 会場のジュゼッペ・メアッツァを後にするハリルホジッチ監督の足取りは重かった。来月9日の再来日まで続く欧州視察行脚のスタートで目的を果たせず「私は本田と長友を見にきたのだが、彼らが試合に出られずに残念」と厳しい表情。関係者によると、今回の欧州滞在中にもう一度ACミランの試合に足を運ぶ予定はないという。

 左足首痛を抱える本田と、右太腿痛から復帰したばかりの長友はともにベンチ入りしたが、出番なし。後半途中からアップを開始した2人がピッチ脇で抱擁を交わしたのが唯一の“見せ場”で、ともに「お疲れさまです」とだけ言い残して足早にスタジアムを去った。

 特に本田の置かれている立場は深刻だ。ACミランのインザーギ監督は本田の起用を見送ったことについて「(左足首は)良くなって練習に復帰していたが、昨日(18日)“強く蹴ると左足首が痛い”と言っていた。リスクを負わせないことを優先した」と説明した。左足首の状態が万全でなかったことを強調したが、一方で代わりに起用したU―21スペイン代表のスソを絶賛。「スソは好調で右サイドでアバーテとも良い連係を築いていた。彼はミランの未来だ」と褒めちぎった。

 本田にとっては強力なライバルが出現した形で、左足首痛が完治しても先発復帰できる保証はない。ハリルホジッチ監督は欧州組に「代表に呼ばれたいなら、クラブで試合に出続けてほしい」と訴えており、本田も例外ではない。3月の親善試合チュニジア戦、同ウズベキスタン戦ではセットプレーでキッカーの座を“剥奪”されるなど日本代表での絶対的な立場は揺らぎつつある。10年W杯南アフリカ大会以降、日本のエースに君臨してきたレフティーが、正念場を迎えている。

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