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ハリルJ 敵地アフガン戦はテロ地域開催も…可能性は“五分五分”

[ 2015年4月16日 06:45 ]

W杯予選開催の可能性があるアフガニスタンの首都カブール。中心部のホテルにロケット弾が直撃し黒い煙があがる…

 日本代表が“危険地域”での試合を強いられる可能性が浮上した。18年W杯ロシア大会アジア2次予選で日本と同組に入ったアフガニスタンが、ホームゲームの首都カブール開催を模索していることが判明。9月8日のアフガニスタン―日本戦も対象となる。テロが頻発するなど治安上の理由で中立地開催が有力視されていたが、予断を許さない状況に陥った。

【W杯アジア2次予選日程】

 組み合わせ決定から一夜明け、衝撃の事実が判明した。駐日アフガニスタン大使館のマシュー・スネリング広報担当が「サッカー協会はホームゲームをどこでやるのか、まだ決めていない。06年W杯予選ではカブールでも試合をした。現時点で国内でやるのか中立地でやるのかはフィフティフィフティ(五分五分)だ」と発言。協会側に対応を確認した上で国内開催の可能性に言及した。

 現地ではタリバンなど反政府武装勢力による駐留外国軍、治安部隊、政府関係者らに対する攻撃が頻発。13年に発生したテロ関連事件数は2万3000件以上も確認されている。誘拐事件も多発し、把握可能なものだけで400件超。治安の理由から国内での試合は厳しいとみられていたが、初の最終予選進出を目指すアフガン協会は3万人収容とも言われる国立のガジ・スタジアムがある首都カブールでの試合を模索しているという。

 実際にアフガニスタンが国内で試合を行った例もある。03年11月23日のW杯ドイツ大会アジア1次予選トルクメニスタン戦、13年8月20日の親善試合パキスタン戦はカブールで開催。スネリング広報によると大きな問題はなく運営はスムーズだったという。最近のホーム扱いの試合はタジキスタン、インド、UAE、ネパールなど中立地を転戦しているが、アジア連盟などとの調整次第では約2年ぶりに国内開催が実現する可能性はある。

 治安の問題はテロなどの危険にさらされることが少ない日本代表のイレブンにとってストレスになる。アフガンに乗り込むことになれば大きなデメリットになるが、ハリルホジッチ監督は「私は(ボスニア・ヘルツェゴビナで)戦争を経験しているので(治安の問題は)新しいことではない。その国でやるのがベストだし、できないのは残念」と受け入れる準備があることを表明している。シリア、アフガニスタン、シンガポール、カンボジアと格下ぞろいのグループに入ったが、楽観ムードは一転。外務省から退避勧告が出ている危険地域での戦いを余儀なくされる“死の組”になるリスクをはらんでいる。

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