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奇跡は柴崎から!鹿島 ラストプレー高崎劇弾でACL初勝利

[ 2015年4月8日 05:30 ]

<ACL 鹿島・広州恒大>広州恒大に勝利しファンの声援に応える柴崎(20)ら鹿島イレブン

 柴崎の右足から鹿島の奇跡が始まる――。各地で1次リーグ第4戦が行われ、H組の鹿島はホームで広州恒大(中国)に2―1で競り勝った。1―1の後半ロスタイムに日本代表MF柴崎岳(22)のアシストでFW高崎寛之(29)が決勝点を決め、初勝利で決勝トーナメント進出に望みをつないだ。F組のG大阪はアウェーでブリラム(タイ)に2―1で逆転勝ち。勝ち点を4とした。8日は浦和と柏が登場する。

【試合結果 H組順位表】

 狙い通りのボールが柴崎の右足から放たれた。1―1の後半ロスタイム、右サイドからのFK。相手の守備を逆手に取った。マンマークではなく、ゾーンで守る広州恒大。その選手の間にピンポイントで落とし、高崎の頭に合わせた。「ちょっと遠めの位置だったが、なるべくいいボールを上げたいなと思っていた。ニアサイドの相手選手の頭を越えるイメージだった」。まさに最後のワンプレー。スタジアムが歓喜に沸く中、そのまま終了の笛が鳴った。若き司令塔が今季のACL初勝利をたぐり寄せた。

 この瞬間のために、セットプレーを磨いてきた。セットプレーといえば常勝・鹿島の大きな得点パターンの一つだったが、今季はゴールにつながらず開幕から公式戦6試合勝ちなしと苦しんだ。そのため、今週は重点的に練習した。高崎は「ニアに蹴るか、ファーに蹴るかはキッカーの雰囲気で分かる。練習の時からいいボールが来ていた」と明かした。出し手と受け手の“あうんの呼吸”が勝ち点3をもたらした。もちろん、柴崎の精度の高いキックがあればこそだった。

 試合にはハリルホジッチ監督が視察に訪れていた。「練習からA代表につながるようなことをしていきたいし、パフォーマンスを上げていきたい」と語っていた柴崎は、後半3分にはペナルティーエリア外から目の覚めるような強烈な右足シュート。惜しくも外れたが、攻撃を文字通りけん引した。指揮官は取材に応じることなくスタジアムを後にしたが、そのプレーぶりはしっかり脳裏に焼き付いたはずだ。

 敗れれば1次リーグ敗退が決まる可能性があったが、勝利によって一転、自力での突破の可能性も復活した。残り2試合を連勝すれば決勝トーナメント進出が決まる。司令塔は「かろうじてつながった道。可能性を大事にしていきたい。アウェーですけど、勝利を目指してやりたい」と誓った。04年に1次リーグがホームアンドアウェー方式となって以来、敗退の経験がない鹿島。先輩たちのつくった歴史を継承する。

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