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ハリル監督 再建へ「勝利」植え付け…自らノルマ「W杯16強」 

[ 2015年3月14日 05:30 ]

就任会見でサムアップポーズを見せるハリルホジッチ新監督

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ新監督(62)が13日、成田空港着の航空機で来日し、東京都内のホテルで就任会見を開いた。日本サッカー協会の大仁邦弥会長(70)、霜田正浩技術委員長(48)とともに登壇して独演会を展開。サッカー哲学などを熱く語り、53分間の会見のうち50分を1人で語り尽くした。現在53位に低迷するFIFAランク20位以内への返り咲きと、18年W杯ロシア大会での16強進出のノルマを自らに課し、ハリルジャパンがスタートを切った。

 通訳の言葉にかぶせ気味に、ハリルホジッチ新監督がどんどん言葉を紡いだ。1社3人の人数制限が設けられた中、集まった報道陣は242人。第一声を日本語で「コンニチハ」と切り出すと、10の質問に対して計50分間も話し続けた。「日本はW杯後、成績が下がっているが、復活できる質はある。第1目標はW杯に出ること。参加するだけでなく決勝トーナメントに進出したい。アルジェリアでは52位のFIFAランクを17位(在任時の最高は19位)にした。日本でも同じことができると確信している」。18年W杯ロシア大会の16強進出とFIFAランク20位以内返り咲きのノルマを自らに課した。

 日本のFIFAランクは現在53位。98年7月の9位が最高で、12年7月を最後に20位以内には入っていない。14年W杯ブラジル大会は1勝もできず1次リーグで敗退。新監督は再建へのキーワードに勝利への執着心を挙げ「私は人間的にかなり要求が高い。負けることが大嫌いで、負けた時には病気になってしまう。口にする一言目は勝利です。トライしないのは最悪。世界一強いチームと戦う時も勝つためのトライをする。日本には勝利に対する気持ちを植え付けたい」と力を込めた。

 会見には、日本代表候補選手の出場記録などのデータをまとめたファイルを持参。自らが目指すサッカースタイル、戦術面にも言及した。相手に応じて複数システムを駆使することで知られるが「ボールを持っていない時は全員同時に守備をする。1人が欠けてもいけない。攻撃も同じ。ビルドアップに皆が関わらないといけない。スターの能力があっても、チームのために仕事をしないといけない」と全員攻撃全員守備が大前提となることを明言。その上で「私はもともとFWで攻撃が好き。1タッチ、2タッチを多く使い、ペナルティーエリア内で3、4人が関わる状態をつくりたい」と攻撃的スタイルを志向する方針も示した。

 23日から国内合宿を張り、注目の初采配は27日のチュニジア戦(大銀ド)、31日にはウズベキスタン戦(味スタ)が待つ。「絶対に2試合とも勝利しないといけない。W杯に向けて最高の試合にしたい」。フランスに夫人と息子、娘に加えて愛犬を残しており、日本代表監督としては異例の単身赴任での生活。会見後には大仁会長、霜田技術委員長と都内の天ぷら店で会食し、新たな“ファミリー”との絆を深めた。独演会となった所信表明。東欧の知将からはパシオン(フランス語で情熱の意味)があふれ出ていた。

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