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武藤、ド派手2発開幕…エースは俺だ!新生代表入りアピール

[ 2015年3月8日 05:30 ]

<G大阪・FC東京>後半ロスタイム、武藤は同点となる2点目を決めベンチへ向かって走り吠える

J1第1節 FC東京2―2G大阪

(3月7日 万博)
 今年の主役もやはり武藤だ。J1は7日に2015年シーズンが開幕し、FC東京はアウェーで昨季3冠のG大阪と対戦。日本代表FW武藤嘉紀(22)が2ゴールを決めてチームを窮地から救い、2―2の引き分けに持ち込んだ。0―2の後半30分に左足で技ありの今季初得点を決めるとロスタイムに約25メートルのミドル弾。プロ1年目の昨季にブレークしたエースが新生ジャパン入りへ大きくアピールする最高のスタートを切った。

 武藤さまさまだった。まずは0―2の後半30分だ。ペナルティーエリア内でDF丹羽を背負ってボールを受けた武藤は鋭く時計回りに反転。左足で丹羽の股を抜き、ゴール右に流し込んだ。「GK、相手の動きも見てFWらしいゴールだった」。自画自賛の今季初得点で反撃の口火を切った。

 圧巻は1―2の後半ロスタイム。相手のクリアミスを拾って右足を振り抜くと、ボールはゴール右に突き刺さった。起死回生の同点弾。「打った瞬間入ったと思いました。あんなに良いコースに行くとは思わなかった」。チームを救った22歳は照れ笑いで振り返った。

 まさしく救世主だ。0―0の前半ロスタイムに許した先制点は微妙な判定に泣かされた。遠藤のクロスをパトリックが頭で押し込んだが、直前に遠藤にパスを出した宇佐美はドリブルで明らかにゴールラインを割ったように見えた。FC東京イレブンは足を止めたが、判定はプレーオン。不満が募る失点となった。前半終了後には左太腿裏の痛みを押して強行出場していた太田がケガを悪化させて交代。羽生も前半に右膝を強打し、プレー続行が困難だった。そんな“三重苦”を救ったのが、自身4度目の1試合2得点を決めた武藤だ。

 プロ1年目の昨季は日本代表入りも果たしアギーレジャパン1号弾も決めた。昨季後半はザルツブルクなど欧州スカウト陣も視察。高く評価された一方でフィジカル強化を課題に挙げるスカウトもいた。そんな自身を客観視できるのも武藤の強みだ。今オフから「細いんで」と当たり負けしないよう筋力トレで下半身をいじめ、鍛え上げてきた。雨でぬかるんだピッチで、その効果が開幕戦で早くも表れた。

 もう一つの戦いも制した。「世間的に見たらどっちが点を取るかという見方になると思う」と意識していた宇佐美とのエース対決はPK弾など2点に絡んだ相手に先行される形となったが、逆襲の2得点でひっくり返した。「お互いに頑張っていければ」と今後も競い合うライバル同様にハリルホジッチ次期監督の就任が確実な新生ジャパン入り、そして欧州移籍も見据える。「日本代表に入りたい気持ちはもちろんあります」

 昨季から続く得点した際の不敗神話も11試合に更新。「1試合で2点取れて肩の荷が下りた。これからはかなり力が抜けてプレーしているのかなあ」。得点王を目指して止まらない。武藤劇場の第2幕がド派手に幕を開けた。 

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