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ドスト 奇跡Vの使者だ!“ケチャドバッ”リーグ新3戦8発

[ 2015年3月3日 05:30 ]

<ブレーメン・ボルフスブルク>ゴールを決め喜ぶドスト(AP)

ブンデスリーガ・第23節 ボルフスブルク5―3ブレーメン

(3月1日)
 欧州主要リーグで現在、最もハイペースで得点を量産しているのが、ブンデスリーガで2位につけるボルフスブルクの元オランダ代表FWバス・ドスト(25)だ。1日に敵地のブレーメン戦で2ゴールを決め、リーグ新記録の3試合計8得点をマーク。欧州リーグを含む直近の公式戦6試合では11得点の荒稼ぎぶりだ。今季途中まではベンチ外も珍しくなかった元オランダリーグ得点王が、奇跡の逆転優勝へチームをけん引する。
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 “ケチャップ、ドバドバ”という言葉はドストのためにある。2―3の後半3分、MFデブルイネの右クロスを右足で合わせて同点弾。同6分にも勝ち越し点を流し込んだ。公式戦3得点の今季前半戦から1月末のリーグ再開後は1カ月余りで13得点。ひょう変した25歳は「僕らはいつでも逆転できることを証明できた」と誇らしげだった。

 1メートル96の長身FW。ペナルティーエリア内での巧みな位置取りやヘディングに優れ、ヘーレンフェインでは11~12年シーズンに34試合32得点でオランダリーグ得点王に輝いた。同リーグのシーズン30得点以上は09~10年のスアレス(当時アヤックス、現バルセロナ)以来で、12年夏にはボルフスブルクに移籍した。

 だが、シーズン中にマガト元監督が解任され、ヘッキング現監督が就任すると出番が激減した。クロアチア代表FWオリッチに1トップの座を奪われ、昨季は故障を抱えていた右足首を手術したため13試合4得点。「ボロカスの評判が聞こえてきて悩んだ」。17年まで契約を残すことに加え、ヘッキング監督が頑として首を縦に振らなかったため移籍も実現せず、今季はオリッチ、新加入のベントナーに次ぐ3番手の立場でスタートした。

 状況が好転したのは昨年12月6日のハノーバー戦。後半21分から出場して3分後に勝ち越し点を決めると、一気に出番が増えた。実は扁平(へんぺい)足が足首やかかとの故障の原因だったが、シューズの改良やセラピストの治療で痛みが減少。本来の動きを取り戻し、同14日のパーダーボルン戦から先発に固定された。リーグ再開となった1月30日の首位バイエルンM戦で2点を挙げ2月14日のレバークーゼン戦では4得点。リーグ戦出場12試合でランク3位の13得点と量産が止まらない状態だ。

 「痛みはあるけど走りだせば消える」と話すドストに対し、覚醒を待っていたヘッキング監督も「これまでの恩返しをしてくれている」と信頼を置く。クラブは今冬、オリッチをハンブルガーSVへ放出してチェルシーからドイツ代表MFシュールレを獲得したが、攻撃の軸はドストのまま公式戦14試合、リーグ戦11試合不敗を継続中だ。「クイーンとか80年代の曲が好き」という25歳。「We Are the Champions」を聴くためにも、ゴールを決め続けて勝ち点8差のバイエルンMを追う。

 ◆バス・ドスト 1989年5月31日、オランダ東部デフェンテル生まれの25歳。07年に2部エメンでプロデビュー。08年にヘラクレス、10年にヘーレンフェインへ移籍し、11~12年シーズンにはエクセルシオール戦で1試合5得点をマークするなど32得点でオランダリーグ得点王。12年6月に移籍金700万ユーロ(当時約7億円)の5年契約でボルフスブルクに加入。同年8月にファンハール監督(当時)率いるオランダ代表に招集されたが、試合出場はなし。1メートル96、78キロ。利き足は右。背番号12。

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