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柏 5バックで粘った!“反骨心”で韓国王者とスコアレスドロー

[ 2015年2月25日 05:30 ]

全北と引き分け、サポーターにあいさつするレアンドロ(右端)ら柏イレブン

 アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)が24日に開幕し、プレーオフを制して1次リーグE組に入った柏はアウェーで全北(韓国)と0―0で引き分けた。今季から指揮を執る吉田達磨監督(40)が相手の意表を突く5バックを採用し、昨季Kリーグ王者にゴールを許さなかった。敵地で貴重な勝ち点1を手にし、13年の4強超えに向けて納得のスタートを切った。7年ぶりのアジア王者を目指すF組のG大阪はホームで広州富力(中国)に0―2で敗れた。

【試合結果 E組順位表】

 新生・柏が勝ち点1をもぎ取った。前半41分にはヘディングシュートをGK菅野が右手で好セーブ。後半41分にはカウンターをキム・チャンスが体を投げ出してブロック。ピンチをしのぎ続けての引き分けに、吉田監督は「アウェーで、相手は韓国チャンピオン。物凄い勢いで来るのは予想通り。この引き分けは価値のある大きな勝ち点1」と納得の表情を浮かべた。

 無失点への伏線は、急造の5バックだ。今季から下部組織の監督などを務めた吉田監督が就任。初采配となった17日のチョンブリ(タイ)とのプレーオフで用いた4―3―3から、今回は3―4―2―1に替えた。全北は今季初の公式戦とあってプレー映像は見られなかったが、守備の際にはキム・チャンス、輪湖の両ウイングバックを最終ラインまで下げてサイドのスペースを消し、1メートル86と長身のエドゥアルドを起用してシンプルに放り込む相手の高さにも対抗。プレーオフから準備期間はわずか1週間だったが、相手の長所を見事につぶして納得の結果を示した。

 序盤に2度ゴールを割られたが、最終ラインを高くしていたからこそのオフサイド判定。センターバック中央を務めた増嶋は「無失点はラインをコンパクトにした結果」と話し、主将の大谷も「割り切るのも必要」とうなずいた。

 下馬評は決して高くない。英国の大手ブックメーカー「ウィリアムヒル」によるACL優勝オッズで、柏は出場32チーム中23位タイの41倍。2位で8倍のG大阪などに大きく劣る日本勢最下位で、全体でもワースト5位。それでも「そういうのは関係ない」と鈴木。13年に4強まで進出した経験、そして新チームとしての自信があった。

 「選手が勇敢にトライしてくれた」と指揮官。勝ち点1だけでなく、新スタイルへの手応えも敵地から持ち帰ることになった。

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