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【J1注目株】神戸・渡辺千真 決定力不足の新天地で輝き取り戻す

[ 2015年2月24日 08:15 ]

FC東京から今季神戸に移籍したFW渡辺千真

 新天地で新境地に挑むストライカーが神戸の命運を握る。13年にFC東京でキャリアハイの17得点を挙げたFW渡辺千真(28)は昨季、壁にぶつかった。日本代表入りを果たした武藤の勢いに押されて3得点がやっと。愛着のあるクラブへの残留と迷ったが「必要としてくれていると感じた」と新エースとしての期待を込めた神戸のオファーに応え、移籍を決めた。

 移籍交渉の中では、ネルシーニョ監督の意向としてセンターFWでの起用をクラブ側から示唆されたものの、ケガ人続出の事情もあって与えられたポジションは4―3―3の左FW。得意ではないサイドの位置に当初は戸惑いを隠せなかった。

 しかし、2月の鹿児島キャンプで周囲との連係を深め、指揮官の戦術を頭と体で覚えていった。22日のプレシーズンマッチ・北九州戦では、左サイドから中央へと切れ込む動きでゴール。「ああやって中に入ってきて仕事ができるシーンを増やしたいと思っている。このポジションで練習もやっているので、イメージはしているし、ここでどれだけできるかと考えながらやっています」。新ポジションでシーズンを迎える覚悟を固めた。

 神戸は今季、各ポジションに補強を施して選手層に厚みを加えた。さらに日本代表入りするまでに成長したMF森岡ら生え抜き選手の成長も著しい一方で、今季39歳のFWマルキーニョスの肉体は限界に近づき、FWペドロ・ジュニオールも負傷で出遅れている。最も重要なゴールを決める人材が不足している状況下で28歳のFWはいきなりキーマンとなった。クラブ初のタイトルは万能の点取り屋の得点力にかかっている。

 ◆渡辺 千真(わたなべ・かずま)1986年(昭61)8月10日生まれの28歳。長崎県出身。国見高から早大に進み、09年に横浜入り。1年目から13得点して新人王。12年にFC東京に移籍。J通算174試合54得点。日本代表では若手中心の編成だった10年1月のアジア杯予選イエメン戦の1試合に出場。利き足は右。1メートル82、77キロ。

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2015年2月24日のニュース