×

アギーレ監督解任保留 大仁会長「確認」告発受理されていない

[ 2015年1月25日 06:20 ]

豪州から帰国したサッカー協会・大仁会長(中)

 日本代表のアジア杯準々決勝敗退から一夜明けた24日、日本協会の大仁邦弥会長(70)が、八百長疑惑の渦中にいるハビエル・アギーレ監督(56)に対する告発がバレンシア裁判所に受理されていないことを確認したと明かした。これを受けて日本協会はアギーレ監督の進退に関する決断を一時保留した形だが、スペイン紙マルカの記者は既に受理されていると真っ向から反論。双方の主張は180度食い違っている。

 屈辱の敗戦から一夜明け、シドニー空港で取材に応じた大仁会長が意外な言葉を口にした。八百長疑惑の渦中にいるアギーレ監督の進退問題を問われ「告発が受理されていないことが確認できたので、問題ない」と発言。確認手段を突っ込まれると「いろいろな手段を使って、毎日確認しているが、まだ受理されていない」と言い切った。

 14日にスペイン各紙が疑惑に関与した41人全員の告発受理を一斉に報道した。それを受け、大仁会長はアジア杯後に指揮官を解任する方針を示唆していたが、独自調査で受理されていない事実が判明したことで、現時点での監督交代を否定。一方で「受理されれば、それに対してどうするか説明する。受理されないことを願っている」と受理された場合に解任する方針は変えなかった。

 アジア杯で5大会ぶりに4強進出を逃した結果責任も問わない。大仁会長は「良いサッカーをしていた。就任から短い時間で、ここまでのチームにしたのはさすが」と高く評価。霜田技術委員長は「結果のウエートが大きくなるのはこれから。今はプロセスを重視したい。内容は4年前(優勝した前回の11年カタール大会)よりも今回の方がいい」と説明した。1次リーグは無失点で全勝突破。準々決勝のUAE戦も相手の10倍以上のシュート35本を放ったとはいえ、分析も終わっていない敗退決定翌日の方針決定には疑問が残った。

 シドニーで告発受理を完全否定した大仁会長だが、帰国後の成田空港ではトーンダウン。「受理されていないことは確実か?」の問いに「分からないけど、顧問弁護士やアギーレ監督の弁護士と毎日連絡を取ってやっている。その情報では“されていない”」と返答。「スペイン紙は誤報か?」との質問を受けると「誤報かどうかは分からない」と語り「続投か?」には「そうですね。今のままだと…」と歯切れが悪かった。不透明な部分が残る中、告発受理という前提条件が覆ったことで解任は保留となったが、状況は一切、好転していない。6月にはW杯予選がスタート。決断が遅れるほど、むしろダメージは大きくなる。

続きを表示

2015年1月25日のニュース