×

柴崎時代“幕開け弾”!遠藤後継22歳の司令塔「良い経験に」

[ 2015年1月24日 05:30 ]

<日本・UAE>後半、同点ゴールを決めた柴崎(中)のもとに駆け寄る本田(右)と酒井高

アジア杯準々決勝 日本1―1UAE(PK4―5)

(1月23日 シドニー)
 早すぎる敗退だったが、柴崎が確かな存在感を示した。「イメージ通りと言えばイメージ通り。圭佑さんがイメージ通りのところにボールを落としてくれた」。1点ビハインドの後半36分。縦パスを本田に通すと、そのまま前線に駆け上がりリターンパスを受けた。そしてゴール前の密集地帯の中、わずかな隙間を見つけて右足を一閃(いっせん)。弾丸シュートは左ネットに突き刺さった。

 雌伏の時を過ごしてきた。「大会を通して長くプレーできなかった。実力や信頼がそこにはあるのかな、と」。柴崎がアジア杯を振り返ったように出場は2試合。計69分間にとどまった。年末の国内合宿でインフルエンザにかかった影響もあるがベテランMF遠藤の牙城を崩せなかった。だからこそ後半9分に遠藤と交代でピッチに投入された後はボールを回すだけではなく、何度もゴール前へ進入。長くA代表の司令塔を務める遠藤とは違った持ち味を発揮した。

 9月の親善試合ベネズエラ戦で代表デビュー弾を決めた後は、所属する鹿島でもFKのキッカー役を買って出るようになった。FK練習も増やし汗を流した。わずかボール1個分外れたとはいえ延長後半終了間際のFKは地道な努力が力になってきている証拠だ。

 「優勝を目指してやってきたので、こういうところで負けるのは想像していなかった。決勝の舞台に立つことを考えていた」。自身は不完全燃焼。チームも志半ばで敗れた。それでも柴崎はこうも話した。「サッカー選手として大きくなるには、こういう経験も必要。一歩一歩段階を踏むのが自分のスタイルなんで。こういう場に来られたのは良い経験になった」。まだ22歳。伸びしろは残っている。喜べない同点弾は、次なる戦いへの大きな糧となる。

続きを表示

この記事のフォト

2015年1月24日のニュース