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共闘誓った…稲本 小野との「黄金の中盤」でJ1昇格必ず! 

[ 2015年1月17日 05:30 ]

入団会見で野々村社長(左)と握手する稲本

 コンサドーレ札幌入りした元日本代表MF稲本潤一(35)が16日、札幌市内の複合商業施設・サッポロファクトリーで入団会見を行った。一般のファン約1500人も詰めかけた会見では、札幌を選んだ決め手の一つとしてチームメートとなる同世代のMF小野伸二(35)の存在を挙げた。背番号は自身の愛称でもある「イナ」にちなんだ17になることが正式決定。長らく日本代表を支えた盟友とともに、札幌をJ1の舞台へと導く。

 無数のフラッシュに、割れんばかりの声援。その全てが、北海道の地を踏んだ稲本への期待感の表れだった。午後4時から札幌市内で始まった会見には約1500人のファン、27社117人の報道陣が詰めかけた。

 「これだけ集まるとは思っていなかったので、びっくりしています。自分の持っているものを全て出して、J1昇格に貢献したい」と、稲本は力強く抱負を語った。

 その元日本代表が願ったのは小野との共演だ。日の丸を背負って苦楽を共にした友とは、これまでクラブチームで一緒にプレーした経験はなかった。ともに35歳。ここがチャンスだと感じた。

 「彼(小野)が札幌にいるというのは決め手の一つ。自分たちの世代ではスーパースター。一緒にプレーする機会を与えてもらって感謝している。彼は見ている人が喜ぶプレーをする。そのプレーを支えたい」

 昨年11月下旬。川崎Fを契約満了になった2日後に電話が鳴った。小野からだった。「札幌は凄くいいチーム。監督のやりたいサッカーに合うと思うよ。お金はないけど、志の凄く高いチーム」と言われたという。クラブからも正式にオファーが届いた11月23日、J2最終戦では野々村社長が試合後のセレモニーで熱いラブコールを送った。「一番に声を掛けてもらった。これが一番です」と、札幌入団への思いを明かした。

 川崎Fでは、昨季から本格的にDFへコンバートされた。自身も「昔に比べると、前に行く回数や得点をする回数は減っている」と話す。札幌でも期待されているのは守備の部分だ。バルバリッチ監督が導入した3バックの中央でコントロールする役割が求められる。「中盤でもディフェンスでも問題ない」と話したが心の底は違った。ひと呼吸置くと、同席した野々村社長から促されて「中盤で出たいと思っています」と宣言。06年のW杯ドイツ大会で小野と形成した黄金の中盤。時を経て、札幌でそのコンビが再現される可能性が出てきた。

 モデルの美保夫人と札幌に居を構える予定。腰を据えて、札幌に身をささげる。「全試合出場が目標。ケガをしないで、1年間やり続けることで力を発揮したい」。W杯3度、7つの海外クラブでプレーしたベテラン。描くのは小野との歓喜しかない。再スタートの地として選んだ北海道で、その輝きを放つ。  

 ◆稲本 潤一(いなもと・じゅんいち)1979年(昭54)9月18日、大阪府出身の35歳。G大阪ユースだった97年にJデビュー。01年にアーセナルへ移籍し、海外7クラブを渡り歩いた。10年に川崎FでJリーグに復帰。W杯は02年日韓大会で2得点を挙げるなど、3大会連続で出場。日本代表は82試合5得点。妻はモデルの田中美保。1メートル81、77キロ。血液型O。

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