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110分間仁王立ち!日ノ本“神GK”で史上初2年連続夏冬連覇

[ 2015年1月12日 05:30 ]

PK戦で常盤木学園の4人目のシュートを防ぎ、喜ぶ日ノ本学園・GK木付

 第23回全日本高校女子サッカー(スポニチ後援)は決勝が行われ、日ノ本学園(兵庫)は延長0―0の末に常盤木学園(宮城)とのPK戦を4―2で制し、2年連続3回目の優勝を果たした。延長戦を含めた110分間とPK戦で日ノ本学園のGK木付優衣(3年)が活躍。昨夏の全国高校総体と合わせ、史上初の2年連続夏冬連覇となった。

 殊勲の守護神の元に、イレブンが駆け寄った。熱戦はPK戦に突入。3―2と日ノ本学園がリードした中、先攻・常盤木学園4人目の西川のゴール隅を狙った右足シュートに、GK木付が横っ跳び。どんぴしゃのタイミングでボールをはじき出した。「見せ場だと思っていた。こっちに飛んでこいと思って、思い切り跳ぶだけでした」。その後、日ノ本の4人目・平塚が落ち着いて決めると、歓喜の輪が広がった。

 痛みに耐えた。前半10分に木付は相手選手と激突して顔面を強打。一度は担架で運び出され、治療のため約10分間試合が中断した。「めっちゃ痛かったです。ぱっくり切れてました。でも“いけます”と言いました」。鼻は裂傷を負い、腫れ上がっていた。「大きな声を出したら痛むから出せなかった」と“ハンデ”は負ったが、鋭いカウンターから繰り出される相手のシュートを全て防ぎきった。

 勝利を伝えたい人がスタンドにいた。チームの大黒柱であるU―19日本代表DF万屋(3年)が約1カ月前にケガのため離脱。今大会には間に合わなかった。代わりに主将となったDF竹村(3年)は万屋の背番号5のユニホームを着込んでプレー。「美穂(万屋)が一番責任を感じて苦しかったと思う。それを知っていたので、一緒に戦いたかった」。試合後は喜びをともにした。

 これで今大会は連覇を達成し、主要な全国大会では4大会連続での優勝を成し遂げ“日ノ本時代”が到来した。それでも田辺監督は「シュートの質はまだまだ」と13本を放ちながら、無得点に終わった決定力不足には不満顔。3連覇を目指す来年は課題を克服し、またこの舞台に帰ってくる。

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