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初戦負ければV率0%…アギーレ監督 背水の覚悟で必勝期す!

[ 2015年1月12日 05:30 ]

練習で笑顔を見せるアギーレ監督

 アジア杯連覇を狙う日本代表は12日、ニューカッスル・スタジアムで行われる1次リーグ初戦でパレスチナと対戦する。ハビエル・アギーレ監督(56)は11日の公式会見で海外メディアから八百長疑惑に関する質問を矢継ぎ早に受けると、イラ立ちをあらわにするなどピリピリムード。過去15大会の優勝国の初戦は引き分け以上というデータがあり、黒星発進ならV確率は0%。成績次第では進退問題に発展する可能性のある中、背水の覚悟で初戦必勝を期した。

【日本代表メンバー アジア杯日程】

 初戦が翌日に迫るナーバスな状況で、アギーレ監督が不快感をあらわにした。決戦の舞台ニューカッスル・スタジアムで行われた公式会見。英国メディアから立て続けに八百長に関する質問を浴びた。SNTVが「八百長疑惑がチームに与える影響はあるか?」と切り出すと、BBCは「辞任する気はないのか?」と追い打ち。指揮官はムスッとした表情で「3週間前に(八百長疑惑の釈明)会見を開いたので、この場でお答えすることはない。私は過去のW杯や南米選手権でサッカーの話しかしてない。今大会もそうだ」と返した。

 額に青筋を立てるのも無理はない。アジア杯の過去15大会の優勝国はすべて初戦で勝ち点を獲得。黒星発進すればデータ上の優勝確率は0%で、パレスチナ戦は絶対に落とせない一戦となる。前回11年カタール大会初戦はヨルダンに先制を許し、終了間際に何とか同点に追いつく薄氷のドロー。今合宿中に前大会経験者の長谷部、遠藤らと個別に話したというアギーレ監督は「皆、初戦が難しいと言っていた。立ち上がりから決勝のラスト1分のつもりで戦わないといけない」との心構えを示した。重要な一戦に向けて集中する中、八百長疑惑の対応で水を差され、いら立ちを隠せなかった形だ。

 会見直後の公式練習では円陣を組み「1時間しかない短い練習だが、ケガのないように集中しよう」と仕切り直した。冒頭15分を除き非公開で、セットプレーなどを入念にチェック。練習前までに選手に相手の映像を見せる分析ミーティングは行っていない。昨年9月のチーム発足から試合当日に最低限の情報を伝える手法をとっており、公式大会でもルーティンは変えなかった。

 パレスチナはFIFAランク115位の格下だが、油断はない。指揮官は「相手を見下さないで集中したい。我々は今大会に最高のものを期待している。現チャンピオンは日本。タイトルを守りたい。自分たちのゲーム、プレーには自信を持っている」と連覇に照準を定めた。92年大会以降は優勝4度に4強と8強が1度ずつと、日本はアジアで圧倒的な強さを誇る。八百長疑惑でスペイン検察当局に告発されていることもあり、早期敗退なら捜査の行方を待たずに解任される可能性が高い。本人はいくら大会に集中したいと言っても八百長疑惑についての話題がついて回るのは避けられない。前代未聞の状況下での采配。逆風の中、絶対に負けられない戦いのゴングが鳴る。

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