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アギーレ監督 2―0勝利「満足」も…決定力不足露呈で怒り爆発!

[ 2015年1月5日 05:30 ]

<日本・オークランド>後半、ボトルを蹴り上げるアギーレ監督

 9日開幕のアジア杯に出場する日本代表は4日、事前合宿地セスノックでオークランドと練習試合を行い、2―0で勝利した。相手は昨年12月のクラブW杯で3位になったとはいえ、選手の大半が別の仕事を掛け持ちするセミプロ。ハビエル・アギーレ監督(56)は再三の決定機を逃し、カウンターからピンチを招く内容にいらだちを見せた。

【日本代表メンバー アジア杯日程】

 感情をむき出しにして、アギーレ監督がペットボトルを蹴り上げた。後半40分、塩谷が右足痙攣(けいれん)で途中交代する際に怒りが爆発。再三の決定機を逃す乏しい内容に我慢の限界に達した。メキシコ代表監督を務めた09年には、試合中にパナマ代表選手の腹を蹴り退席した経験の持ち主。“瞬間湯沸かし器”の一面が顔をのぞかせ「少し怒ってました。攻撃では良いプレーが見られなかった部分もある。もっとボールを速く動かすことが必要」と不満を口にした。

 いらだつのも無理はない。アギーレ監督は八百長に関与した疑いでスペイン検察当局に告発されており、アジア杯で早期敗退なら捜査の進展を見るまでもなく解任の可能性もある。そんなナーバスな状態の中で、オークランドは昨年12月のクラブW杯で3位になったとはいえ、大半の選手が他の仕事で生計を立てるセミプロ。しかも約2週間のオフ明けで試合前日の3日に全体練習を再開したばかりだった。

 一方、日本は4―3―3システムで臨み、チーム合流から間もない吉田以外はベストの布陣。13本のシュートを放ったが、ゴールは前半33分の遠藤の右足ミドル弾と、後半44分の岡崎の右足弾の2得点だけ。後半31分には中盤で不用意にボールを失い、カウンターから1対3の場面をつくられるピンチ。シュートミスに救われ完封したが、攻守ともに褒められる内容ではなかった。

 それでも指揮官は試合後は努めて明るく振る舞った。会見では「世界で最も良いクラブの一つに勝つことができてよかった。強度の高いトレーニングになったし、結果にも満足しています。取れなかった得点はパレスチナ戦にとってくれてるのだと思う」と笑顔。最後は日本語で「良いね。良いね。お疲れさまです」と言い残してスタジアムを後にした。取り乱して怒りのままに発言すれば、選手の心も離れかねず本音を隠したとも考えられる。

 12日の1次リーグ初戦パレスチナ戦まで残り1週間。5日には地元2部クラブと本番前最後の対外試合を非公開で行う。指揮官は「セットプレーなどの準備をしたい。1週間時間があるので、23人の選手の中から私の考えるベストの11人を選びたい」と前を向いた。フィニッシュの精度増、攻撃時のリスクマネジメント、セットプレーのバリエーションづくり…。連覇に向けて課題は山積している。

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