×

アギーレ監督が選手へ初の疑惑説明…大仁会長“異例”会合同席

[ 2014年12月30日 05:30 ]

円陣を組み選手たちに話しかけるアギーレ監督

 来年1月のアジア杯オーストラリア大会に出場する日本代表は29日、千葉県内で合宿を開始した。スペインリーグで八百長に関与した疑いでスペイン検察当局に告発された日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)は集合直後に“釈明ミーティング”を開催。日本協会の大仁邦弥会長(70)が、事情説明して一枚岩を強調する異例の幕開けで連覇に向けた戦いがスタートした。主将のMF長谷部誠(30)は“信頼する力”の重要性を訴え、アジア杯に集中する構えを示した。

 張り詰めた空気の中、アギーレ監督が口を開いた。選手の集合直後に都内のホテルで開催された全体ミーティング。八百長疑惑の渦中にいる指揮官は「自分は全く関係ない。関与していない」と潔白を主張し「重要な戦いが始まる。このミーティングが終わったらサッカーだけの話をしよう。アジア杯のタイトルを守ろう」と訴えた。

 釈明ミーティングは約10分。選手側からの質問も受け付けたが、手を挙げる者はいなかったという。非常事態を受け、大仁会長も出席。経緯と事情を説明し「私からもアギーレ監督からも、選手に直接説明するのは初めてだったが、一生懸命に聞いてくれた。選手の戸惑いは感じなかった」と前向きに振る舞った。

 初練習はミーティングから約3時間後にスタート。冒頭、アギーレ監督は円陣を組み、今度は疑惑には触れず約1分半の熱弁を振るった。気温3度の中、短パン姿で熱血指導。ピッチ外の雑音を振り払うように身ぶり手ぶりを交えてチームを鼓舞した。サッカーバレーなど軽めのメニューだったが、アジア杯では複数のシステムを併用することも明言。「4―3―3だけでなく3―4―3で戦う考えがある。たくさんのオプションがある」と今後は本格的な戦術練習に着手する。

 グレーな状態のまま合宿に突入したが、バレンシア裁判所に告発が受理されるのは時間の問題。日本協会の小倉名誉会長は告発が受理されれば臨時技術委員会を開き、指揮官の進退を問う方針を打ち出している。監督交代の場合は、アジア杯は暫定的に手倉森コーチが指揮する可能性が高く、予断は許さない。

 オーストラリア入り後も海外メディアから八百長疑惑に関する質問を浴びることが予想されるが、アギーレ監督は「私には隠すことは何もない。準備期間、選手の質を考えると、タイトルは十分に守れる。対戦相手に敬意を払いながら全ての試合に勝ちたい」と全勝優勝を目標に掲げた。

 連覇を懸けたアジア杯初戦パレスチナ戦は来年1月12日。日本協会の決断が遅れるほど信頼が裏切られた時の現場への負担は重くなっていく。

続きを表示

この記事のフォト

2014年12月30日のニュース