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元なでしこMF小林弥生が引退へ…ベレーザひと筋、笑顔と涙の18年 

[ 2014年12月27日 11:30 ]

今季限りでの現役引退を発表した小林弥生

 なでしこリーグの日テレ・ベレーザは26日、元なでしこジャパンのMF小林弥生(33)が今季限りで現役を引退すると発表した。

 東京都多摩市出身の小林は、1981年9月18日生まれの33歳。身長1メートル57と小柄ながらボランチからFWまでこなすユーティリティープレーヤーとして活躍した。男子と違い、リーグ戦の年間試合数が少ないなでしこリーグにあって、12年には200試合出場を達成。今季まで223試合に出場して51得点をマークした。

 なでしこジャパンとしても、1999年の女子世界選手権、2003年の女子ワールドカップ(W杯)米国大会、04年のアテネ五輪メンバーに選出されるなど、日本代表戦54試合に出場して12得点をマークした。

 小林はクラブを通じ、「ベレーザ18年間の選手生活の中で、たくさんの夢や目標を叶えることが出来たり、仲間と喜び合える幸せを感じたり、悔しくて数えきれないほど泣いてきましたが、全てに全力で後悔はありません」と全力疾走した現役生活に悔いなしを強調。

 05年に左ひざ、06年に右ひざ、12年には再び左ひざを負傷とケガとの戦いが続いたが、そのたびにトレードマークの柔らかい笑顔を浮かべながら苦境を乗り越えた。その姿は日テレの後輩だけでなく、クラブハウス施設を共用するJ2東京Vの選手たちにも多大な影響を与えた。

 「私は大ケガを三度し、サッカーを見るのが怖くなったり、思うように動けるか不安な日々もたくさん過ごしてきました。今シーズン、痛みなくコンディションの良い状態を維持して戦い終える、このタイミングでの引退を選びました」とこのタイミングでの引退について説明した小林は、「リハビリ中支えてくれた仲間、メディカルスタッフに心から感謝しています。敵味方なく、共にピッチで闘ったたくさんの仲間、クラブスタッフ、そしてサポーターの皆様、メディアの皆様。そして、他チームのサポーターの方々からもご声援をいただきました。感謝の言葉しかありません。本当にありがとうございました」とあらゆる人に感謝の言葉を送った。

 チームは28日に皇后杯準決勝・仙台戦(味フィ西)、勝てば来年元日に決勝戦(味スタ)を控える。「次の試合に勝利し、1月1日に優勝を決めて笑顔で終われるように、チーム一丸となって頑張ります。最後まで応援よろしくお願いします」。誰からも「弥生ちゃん」と愛された癒し系プレーヤーの最後は、やはり勝利がふさわしい。

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2014年12月27日のニュース