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川島は必ずはい上がる チーム弱体化、監督交代で控え転落も前向き

[ 2014年12月9日 11:00 ]

7戦連続でリーグ戦出番なしの川島

ベルギーリーグ第18節 Sリエージュ1―0シャルルロワ

(12月7日)
 日本代表の守護神が苦境に陥っている。スタンダール・リエージュ(ベルギー)のGK川島永嗣(31)は7日、アウェーのシャルルロワ戦で先発落ちし、リーグ戦7試合連続の出番なしに終わった。過去2シーズンは絶対的存在でベルギーでNo・1とも評されたGKが、なぜ控えに転落したのか。連覇を狙う来年1月のアジア杯(オーストラリア)を前に、アギーレジャパンの守備の要に迫った。同僚のFW小野裕二(21)はシャルルロワ戦に先発して後半36分までプレーした。
【川島の試合日程と成績】

 1―0で勝利し公式戦連敗を4で止めたSリエージュのゴールマウスに、川島の姿はなかった。「もう一回チャンスをつかみたい」と公式戦10試合ぶりに出場した3日のベルギー杯準々決勝ロケレン戦は1―4で敗れ、この1試合だけでベンチに逆戻り。絶対的守護神から転落した背景には“チーム崩壊”があった。

 昨季2位のチームから主力が大量流出。ベルギーで名門とはいえ欧州全体で見れば中小クラブで、活躍した選手は主要リーグに引き抜かれる。今オフは昨季チーム得点王&2位のバチュアイとエゼキエルの2トップを筆頭に、ボランチのバンクールとブイエンス、最終ラインのカヌ、オパレらレギュラー格6人が一気に退団した。チーム弱体化は守備崩壊につながり、8月15日に昇格組のムスクロンに屈辱の5失点。9月13日のオーステンデ戦でも再び5点を失った。川島が「チームがうまくいかない時は批判の的になる」と言うように、サポーターの非難はフル出場を続けていた背番号1に向かった。

 そして決定的な転機は指揮官の交代。「川島は猛批判を浴びているが、依然ベルギーでベストの一人だ」と擁護していたルゾン監督が10月20日に辞任。代わってコーチから昇格したブコマノビッチ暫定監督は「川島は調子が落ちている。(控えの)テュラムにチャンスを与える。1試合ではなく長期間だ」とレギュラー剥奪を決断した。

 新指揮官が指摘するように、今季は川島らしくないプレーも目立った。前監督辞任直前の10月19日ズルテ・ワレヘム戦で痛恨のキャッチミスから失点。9月28日の古巣リールセ戦では失点につながる“お見合い”をした味方DFと口論、つかみ合いを演じ、スタンドからブーイングを浴びた。

 地元専門サイトのフットバルニュースで、元アンデルレヒトGKで解説者のデコニニック氏が「味方ファンにブーイングされたら先発復帰は難しい。(来夏の)契約満了を考えると、1月に他へ移るのでは」と指摘したように放出論も浮上してきた。クラブでの先発落ちは、日本代表にも悪影響を与えかねないが、本人は「自分の中で試合勘がなくなったという感覚もない。今の状況を悲観していないし、逆に毎日充実している」と前向き。11日の欧州リーグ・フェイエノールト戦は先発する見込みで、守護神奪回への“ラストチャンス”となるかもしれない。

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2014年12月9日のニュース