宇佐美 優勝手記“サッカーができる幸せをピッチに刻んだ”

[ 2014年12月7日 09:30 ]

<徳島・G大阪>後半、シュートを放つ宇佐美

J1最終節 G大阪0―0徳島

(12月6日 鳴門大塚)
 G大阪が9年ぶりのリーグ制覇を成し遂げた。絶対的エースとして、チームの躍進を支え続けたFW宇佐美貴史(22)にとっては、開幕前の大ケガなど波瀾(はらん)万丈のシーズンを乗り越えてのタイトル。チームも自らも「完全復活」を果たしたことへの思いをスポニチ本紙に寄せた。

 もう最高です。優勝の瞬間は頭が真っ白になった感じでした。シャーレ(優勝皿)は重かった。それで実感も湧きました。

 いろんなことがあったシーズンでした。開幕前に人生初の大ケガ(左腓骨=ひこつ=筋腱脱臼)をして、復帰した当時は自分もチームも調子が良くなくて。自分のコンディションを上げながらチームも上げていかないといけない難しさはありました。W杯イヤーの一番したらあかんタイミングでの負傷。でも、このケガを無駄にせず、どうはい上がって、どうインパクトを残せるのか。自分自身への期待や希望を抱きながらやっていました。入院中は車いすでの生活。その時は何もできず本当につらかった。失ったものもあったけど、気が付いたこともあった。試合を見に行くたびにサポーターが声を掛けてくれ、熱くなるものがありました。試合後にはスタジアムで待ってくれている人もいた。アウェーの試合をテレビで見ても、横断幕が張られていて本当に勇気づけられました。

 一通の手紙にも励まされました。自分と同じクラブに所属したことがある先輩のご両親からのものでした。その方は高校1年の時のケガをきっかけにサッカーと学校を辞めなくてはならなくなり、その後も原因不明の嘔吐(おうと)やめまいに苦しんでいるということでした。そして、こう結んでありました。「苦しむ息子の姿を見てきただけに、まずはしっかり治してください」。ご両親の言葉を真しに受け止めるとともに、温かい手紙が復帰への力になりました。サッカーをしたくてもできない人もいる。あらためて自分の心に刻み、ピッチで示してきたつもりです。

 タイトルを獲れたのも携わってくれた多くの方々のおかげ。感謝しています。育ててもらったクラブだし、サポーターの皆さんが、いつも大声援で後押ししてくれる。リーグ優勝で少しは恩返しできたのかなと思いますけど、まだまだ続けていきたいと思っています。

 個人の成績は満足できるものではないし、貢献度としては40%とか50%くらいだけど、最低目標の2桁得点は取れました。ケガを乗り越えて精神的にもタフになったと思いますし、昨季J2で確立した点を取るスタイルだけでなく新たなものもプラスできた。今後のさらなる飛躍へのポイントにしていかないとと思っています。

 1週間後には天皇杯の決勝があります。3冠のチャンスなんてめったにない。絶対にモノにしたいと思っていますし、自信もあります。引き続き応援をよろしくお願いします。 (G大阪FW)

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