浦和 自滅で70分天下…指揮官が伝達、他会場情報が焦り呼んだ

[ 2014年12月7日 05:30 ]

<浦和・名古屋>まさかの敗戦にショックを隠し切れない浦和の(左から)平川、加藤、槙野、鈴木、柏木、阿部

J1最終節 浦和1―2名古屋

(12月6日 埼玉)
 2位の浦和は名古屋に1―2で逆転負けを喫し、8年ぶり2度目のリーグ優勝を逃した。前半2分にDF槙野智章(27)が幸先よく先制したが、後半の終盤に立て続けに失点した。勝ち点で並ぶ首位G大阪が徳島と0―0で引き分けたため、名古屋に勝てば頂点に立つことができながらも自滅して2位で終戦した。
【試合結果 J1順位表】

 浦和が負の歴史を繰り返してしまった。試合終了の笛が鳴ると、選手たちはその場に立ち尽くす。涙が止まらない。好調の今季を支えた西川、柏木は放心状態だった。追い打ちを掛けるように、サポーターから容赦ないブーイング。3月に起きた差別的横断幕問題を乗り越え、一つになったはずのチームとサポーターの結束が崩れ去った瞬間だった。「涙も出ないくらい訳が分からない」と柏木。G大阪が引き分け、勝てば06年以来8年ぶりの優勝だっただけに、酷な現実は誰もが受け入れ難かった。

 またも終盤に悪夢が訪れた。前半2分の左CKに槙野が体を投げ出しながら頭で合わせ、クロスバーに当たってから入る先制弾。この時点で“首位”となった。しかし、後半27分にCKのこぼれ球を伏兵の牟田にJ初ゴールを押し込まれ、70分間守ってきた首位から陥落。さらに44分には途中交代の鈴木のパスミスから永井に決勝点を許した。優勝に王手をかけた11月22日のG大阪戦で後半43分に先制を許し、同29日の鳥栖戦でもロスタイムのCKで引き分けにされて首位陥落。今季16完封を誇る堅守が崩壊し、自滅で優勝を逃した。「自分自身に腹が立つ。自分の責任」。不整脈を発症しながらピッチに立った鈴木は、人目をはばからず号泣した。

 最後の最後に、ドタバタが際立った。前日に他会場の結果を耳に入れないことを明言したペトロヴィッチ監督だが、1―1になった後半27分にベンチサイドでプレーする槙野にG大阪が徳島と0―0である状況を伝えた。そこから攻勢に出ながら攻守のバランスを失って速攻を浴びた。「監督からガンバの結果を受けて全員に伝えた。そこから落ち着きをなくし、ミスから失点した」と槙野。柏木も「情報が入って、それが焦る気持ちになった」と振り返る。攻守のバランスを崩す迷走の一手。指揮官は「クラブや選手でなく、結果に不満があるのなら私の責任だ」と背負い込んだ。

 昨季6位から2位へ浮上し、来季のACLの出場権を確保した。それでも、2位以下との勝ち点差10から2位に転落した“世紀の失速”の07年をほうふつさせる失速劇で後味は苦すぎる。「この悔しさを忘れずに、来年は優勝してレッズの名を響き渡らせたい」と阿部主将。屈辱の経験を糧に、出直しを誓った。 

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