×

アギーレ監督 2月に裁判所出頭も…疑惑グレーのままアジア杯へ

[ 2014年12月5日 06:00 ]

成田空港に到着したアギーレ監督

 スペインリーグの八百長疑惑の渦中にある日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)が4日、欧州視察を終え、再来日した。そのまま都内で日本サッカー協会・法務委員長の三好豊弁護士らから2時間のヒアリングを受け、身の潔白を主張。一方で今後も地元検察から告発を受けた場合、2月に出頭する可能性があることが判明。灰色のまま来年1月のアジア杯(オーストラリア)に臨む。

【アジア杯日程】

 アギーレ監督は身の潔白を、無実を、主張した。「全くしていない。プロのサッカー指導者として一切やっていない」。再来日した4日、日本協会の法務委員長ら4人が八百長疑惑の事情聴取に当たった際、明言したという。「現時点では信用する以外はない」と三好弁護士。日本協会では、現時点で八百長への関与を示す事実はないとしたものの、同弁護士は「捜査の状況を見守りつつきちんと対応していく」と付け加えることも忘れなかった。

 三好弁護士によれば、アギーレ監督が来年2月にスペインの裁判所に出頭する可能性も明らかになった。在スペインのアギーレ監督の弁護士からの情報として仮にスペイン検察庁から告発された場合、出頭は2月、1度の供述が予定されている。指揮官は「2月ならしようがない」と話したという。1月のアジア杯に影響がないことを主張しているが半面、告発されることをある程度、予見しているとも取れる。

 スペイン紙では11年5月のサラゴサ―レバンテ戦での八百長疑惑に関し、早ければ今月1、2日にも起訴される見通しと報じた。だがスペインと日本では司法制度が異なり、日本協会によれば、現状は予備的な捜査、手続きの状況という。今後、スペイン検察庁が裁判所に告発して捜査が本格化。嫌疑が固まれば起訴される。有罪となれば懲役6月から4年になる。

 起訴されれば当然、進退問題は避けられない。疑惑の段階でも周囲に与える混乱は計り知れず、公判までには1年近く要すると見られ、代表監督の職務に支障が出ることは明らかだ。日本協会が辞任勧告、解任に踏み切ることは免れそうにない。疑惑の指揮官を招へいした日本協会幹部の任命責任も問われる。

 三好弁護士によれば、アギーレ監督への直接的な捜査はまだ始まっていない。八百長疑惑の関係者の一人として名が挙がっただけ、嫌疑をかけられたわけでもないと本人は主張しているという。それでも現状では一連の疑惑に対して白か、黒か、何ひとつ証明できなかった。仮に来年1月のアジア杯期間中にスペイン検察庁から告発されるような事態になれば日本代表への士気にも影響する。極めてグレーに近い状態でアジア杯の指揮を執ることになる。
 
 ▽八百長疑惑試合 11年5月21日のスペインリーグ最終節で、アギーレ監督の率いるサラゴサが、1部残留を懸けて、既に残留を確定していたレバンテと対戦。ガビの2得点で2―1で競り勝ち降格危機を脱した。現地の一部報道では、当時のサラゴサのイグレシアス会長から試合前にアギーレ監督と選手9人にそれぞれ約9万ユーロ(約1330万円)が支払われたとされる。同会長は試合のボーナスと説明しているが、試合の数日後に口座から金が消えており、検察は賄賂としてレバンテ側に渡った疑いで調査しているという。

続きを表示

この記事のフォト

2014年12月5日のニュース