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浦和Vお預け…ペトロ監督采配裏目、終了間際カウンターから2失点

[ 2014年11月23日 05:30 ]

<浦和・G大阪>G大阪に敗れ肩を落とし引き揚げる浦和イレブン

J1第32節 浦和0―2G大阪

(11月22日 埼玉)
 首位の浦和は2位G大阪に0―2で敗れ、8年ぶりのリーグ制覇へ足踏みとなった。勝てば優勝の決まる大一番だったがミハイロ・ペトロヴィッチ監督(57)の積極采配の裏をかかれ、カウンターから2失点と相手の術中にはまってしまった。29日の次節アウェー鳥栖戦で引き分け以下の場合、首位から陥落する可能性も出てきた。
【試合結果 J1順位表】

 これが優勝の壁なのか。ゴールを視界に捉えていた浦和が、まさかの足踏み。後半ロスタイムに2失点目を喫すると、歓喜の瞬間を待ちわびていた観衆が一斉に引き揚げていった。試合終了の笛が鳴ると、選手たちはガックリした表情を見せる。喜びを爆発させるG大阪の選手、サポーターと強烈なコントラストが浮かび上がった。柏木は「切り替えられない。言葉にできない」と嘆いた。

 優勝を決める強い思いが、勝敗の力学を左右した。残り3節でG大阪との勝ち点差は「5」。優位に立っているだけに「0―0でもいいとチームで確認して臨んだ」と森脇。ボールを支配しながら守備陣を崩していく。そこまでは狙い通りだったが、得点の奪えない展開に徐々にしびれを切らしていった。

 後半にペトロヴィッチ監督が動く。11分にマルシオ・リシャルデス、19分には19歳の関根を投入。これが結果的に裏目となった。右ウイングバックに入った19歳は積極的にドリブルを仕掛けたが、関根の裏のスペースを執ように攻められた。そして後半43分にカウンターから佐藤に先制点を奪われた。直後に手負いの興梠をピッチに送り出したが、あっさり追加点を許した。G大阪の今野は「相手が守備の選手を入れなかったから勝てた。関根は守備ができないので、そこを倉田に攻撃させた」と皮肉った。

 平常心を保つのは難しかった。会場では優勝セレモニーの準備が行われ、祝勝のビールかけの手はずも整っていた。試合には5万6758人が集結し、試合前には人文字応援「コレオグラフィー」が解禁。最高の条件が整っていたが、優勝はお預けとなった。「試合で100%出したから、みんな悔しい表情だった」と西川は試合後のロッカールームを振り返った。

 29日のアウェー鳥栖戦は2年連続で敗れている鬼門。昨季は優勝の可能性が消滅した不吉な敵地戦で、引き分け以下で首位陥落の可能性もある。「切り替えることが大事。リセットして臨みたい」と槙野は視線を上げたが、天王山での黒星は精神的に大ダメージとなった。

 ▽浦和の優勝決定条件 首位の浦和は2位のG大阪に敗れて勝ち点差2と迫られたが、それでも次節(29日)の鳥栖戦に○、G大阪が神戸戦に△か●ならば優勝が決定。G大阪が○の場合は最終節(12月6日)へ持ち越しとなるが、浦和は残り2試合(最終節は名古屋戦)を○○ならばG大阪の勝敗にかかわらず8年ぶりのリーグ制覇となる。

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