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アギーレ監督 事情聴取も…11月2戦の内容次第で協会動く

[ 2014年11月7日 05:30 ]

もう逆風!?11月の親善試合次第で協会から事情聴取される可能性が出てきた日本代表のアギーレ監督

 日本代表のハビエル・アギーレ監督(55)が“証人喚問”される可能性が出てきた。日本サッカー協会関係者によると11月の親善試合ホンジュラス戦(14日、豊田ス)、同オーストラリア戦(18日、ヤンマー)の結果次第では、技術委員会でアギーレ監督に事情説明を求める方針であることが判明。就任以降、低調な内容が続く指揮官に対する疑念が、日本協会内で浮き上がっていることがあらわとなった。

 就任後4試合で1勝1分け2敗と低調な内容が続くアギーレ監督に、協会内部から不信感が出始めた。9月の初陣では当時4試合しかJ1経験がないDF坂井(鳥栖)を代表に選出。現在の実力を知る上で絶好の機会だった10月のブラジル戦ではFW本田(ACミラン)をベンチに置き、MF田口(名古屋)やMF森岡(神戸)らA代表キャップ1の若手を4人先発させ、0―4の大敗を喫した。

 一貫性のない起用や采配、戦術…。連覇を目指す1月のアジア杯(オーストラリア)へ向けて、現場を評価、サポートする技術委員会がしびれを切らす寸前となった。日本協会関係者によると10月末にJFAハウスで行われた強化部会や4日の強化担当者会議などでA代表の戦い方が話題に上ったという。その際、技術委員会トップの霜田技術委員長が代表選出基準やサッカーの方針を指揮官自らに説明させる機会を設けることを示唆。ホンジュラス、オーストラリア戦が過去の内容と同じならば11月末にも予定されている技術委員会への“出頭”は避けられない状況となった。

 代表指揮官が技術委員会で事情説明をするのは極めて異例。背景にはファルカン監督時代(94年5月~同10月)の苦い教訓がある。「こういうふうに(チームを)持っていきたかったんだというのが見えれば良いけどファルカンみたいになったら大変」と同関係者。アギーレ監督同様、ファルカン監督も若手を積極的に抜てきしたが、アジア大会では乏しい内容で8強止まり。その後、協会は解任に踏み切ったが、98年のW杯フランス大会に向けた代表強化は一からやり直しとなった。

 アギーレジャパンも描く将来像が見えてこない。今回のホンジュラスとオーストラリア戦に向けてはMF遠藤とDF今野(ともにG大阪)のベテランを招集。就任当初、指揮官は「選手を育てながら勝つのが仕事」と豪語していたが、「サッカーで重要なのは質であり、年齢ではない」と態度を一変。協会内にはアギーレ監督が採用する4―3―3システムが日本に適しているのかという声も上がり始め、メキシコの企業が主催するサッカー殿堂式典(11日)に出席するために代表合宿初日に離脱することも不信感に拍車を掛けている。

 アジア杯はノルマこそ定めていないが、「内容はきちんと評価しないといけない」と進退問題に発展する可能性も秘める。日本協会がW杯南アフリカ大会後から追いかけ続け、5年越しのラブコールを実らせた指揮官に早くも逆風が吹いている。

 ▽技術委員会 日本サッカー協会の専門委員会の一つで、A代表以下各世代の代表、全国各地域のトレセンなどを統括する。歴代委員長には川淵三郎元会長、大仁邦弥会長らも名を連ねる。原博実前委員長が就任した09年2月に、強化担当と育成担当に分かれ、現在2人の委員長の下に数人の委員、協会スタッフ、Jクラブ関係者、Jリーグ事務局員、育成の専門家らがいる。監督の選定など代表強化に関する仕事を担う強化担当の委員長を務める霜田正浩氏は京都、FC東京、千葉などで強化担当やコーチを歴任後、09年に日本サッカー協会入り。U―20日本代表監督などを経て今年9月に正式就任した。

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