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武藤 新人最多タイ13点!アギーレ監督うなった「ブエンモメント」

[ 2014年11月3日 05:30 ]

<名古屋・FC東京>ドリブルするFC東京の武藤

J1第31節 FC東京2―2名古屋

(11月2日 瑞穂陸)
 アギーレジャパンでの活躍も任せろ。FC東京は2日に行われたJ1第31節、アウェーで名古屋と対戦し2―2で引き分けた。日本代表のハビエル・アギーレ監督(55)が視察に訪れた一戦で、FW武藤嘉紀(22)は1―2の後半31分、左足で同点ゴールを決めた。今季13点目となり、チームメートのFW渡辺千真(28)が横浜時代の09年に達成した新人(プロ1年目)最多得点に並んだ。5日に発表されるホンジュラス戦(14日、豊田ス)、オーストラリア戦(18日、ヤンマー)に向けた日本代表に選出されるのは確実。今度は日の丸を背負ってゴールを決める。

 2人の指揮官をうならせる美しいゴールで記録に花を添えた。1―2の後半31分、ゴール前で闘莉王からボールを奪うと、そのままスピードで抜き去った。左に流れながらペナルティーエリア内に突進。矢野のマークに遭いながらも、最後はわずかな角度を見つけて左足を振り抜き、逆サイドのネットに突き刺した。その瞬間、スタジアムは「オー」という声に包まれた。今季ブレークした新星が実力を見せつけた一発に、敵味方関係なく感嘆の声が上がった。それほど難易度の高いゴールだった。

 これにはフィッカデンティ監督も「(武藤は)簡単なチャンスを逃すこともあるが、難しいゴールを決める時もある」と冗談を交えながらも「ベリッシモ(イタリア語でとても美しい)なゴールだ」と称賛。アギーレ監督が視察した試合では3戦5発とあって、日本代表の指揮官は「そうだねよく決める。彼にとって今はブエンモメント(スペイン語で良い時期)だ」と笑みを見せた。
 
 今季13点目で、渡辺の持つ新人最多記録に並んだ。「ホッとした」。記録を前にしてプレッシャーがかかっていたようで、王手をかけてから2試合目での達成に安どの表情を見せた。実は体調は万全ではなかった。エースに成長したことで厳しくなるマーク。ファウル覚悟のタックルを浴びせられることも少なくなく、10月18日の大宮戦では右太腿を負傷して別メニュー調整が続いていた。

 この日も痛みを抱えての出場で「(右足で)思うようにシュートが打てなかった」という。右が駄目なら左だ。9月9日のベネズエラ戦でアギーレジャパン1号弾を決めた左足で打つため「左に持ち込めるように切り返したりしていた」と工夫を凝らした。そしてチームを敗戦の危機から救う同点弾につなげた。

 ただ、これで満足はしていない。「もっともっと記録を伸ばしていきたい」と、さらなる高みを目指している。得点王争いでも首位に2点差に迫り、今度は日本代表での活躍にも期待がかかる。

 「代表の自覚はある。もし次も選出していただいたら、個人としても得点を狙いたいし、チームとしても結果を残したい」。どこまでも頼もしい武藤は、立ち上げから1勝1分け2敗と停滞しているアギーレジャパンで大暴れする。

 ≪不敗継続中≫FC東京のFW武藤が1―2のビハインドから後半31分に同点ゴール。今季リーグ戦13得点目とし、09年の渡辺千真(横浜、現FC東京)のJ1リーグ・プロ1年目(※)の最多得点記録に並んだ。これで武藤が得点した試合はナビスコ杯を含め8勝3分け(1試合2得点が3試合)と不敗継続中だ。
※慶大在学中の武藤は12、13年に特別指定選手としてFC東京に登録。昨年7月6日の広島戦でアマチュアとしてJ1デビュー(出場1分間)している。

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