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香川、ブラジル戦欠場…アギーレJ初勝利も痛すぎる離脱

[ 2014年10月11日 05:30 ]

<日本・ジャマイカ>顎を強打しメディカルスタッフに見せる香川(10)を見つめるアギーレ監督(右)

キリンチャレンジカップ2014 日本1―0ジャマイカ

(10月10日 デンカS)
 日本代表MF香川真司(25=ドルトムント)が、10日にデンカSで行われたジャマイカとの親善試合で負傷して離脱することになった。前半21分の接触プレーで顎を強打。脳振とうの症状が出たため、11日からのシンガポール遠征に同行しない。試合には1―0で勝ち、ハビエル・アギーレ監督(55)就任後3戦目で初白星を挙げたが、14日の親善試合ブラジル戦を前に痛すぎるエースの離脱となった。

 ピッチを後にする香川の目はうつろだった。試合後の取材エリア。30分以上経過しても姿を見せない背番号10に代わり、日本代表の広報担当が対応した。「前半に顎を打って口から出血しており、その処置を行いました。ロッカールームに帰ってきて“クラクラする”と言っている。脳振とうのような症状なので病院に直行します。1カ月前にも脳振とうを起こしているので、立て続けはよくない。シンガポールには行きません」。香川はマンチェスターU時代の8月26日ミルトンキーンズ戦でも脳振とうを起こしている。その影響で9月の代表招集を見送られた経緯もあり、試合後はスタッフの車で新潟県内の病院に直行。大事を取って離脱が決まった。深夜には宿舎に帰ったが、今後は状態を見てドイツに戻るか、日本で休養するか決める見通しだ。

 アクシデントが起きたのは前半21分だった。ルーズボールの競り合いで、香川が顎を強打。相手MFワトソンの肘がモロに入った。前半38分に一度ピッチ外に出て氷で冷やす応急処置を施したが、後半45分に途中交代するまでプレーを続行。試合直後のテレビインタビューでは「1―0ではいけない試合。修正点はたくさんある。ブラジル戦は今、持っているものをぶつけたい」と14日のブラジル戦出場に意欲を見せていたが、想像以上に症状は深刻だった。

 新体制下でのデビュー戦は4―3―3布陣の左インサイドハーフでプレー。本職のトップ下より1列下がる位置だが、前半15分に25メートルの距離からロングシュートを放つなど積極的にゴールに迫った。最終ラインと前線へのつなぎ役としても貢献し、アギーレ監督は「(香川)真司は良かった。指示をこなし努力してくれた」と評価。本田も「しっかりと起点になってくれるので周りも安心して勝負どころに入っていける」と信頼を寄せた。

 新境地を切り開きつつある香川だが、ジャマイカはFIFAランク100位の格下。押し込まれる時間帯はなく課題の守備面は参考にならなかった。FIFAランク6位のブラジル戦で機能するかどうかが今後の試金石になるはずだっただけに、香川にもチームにも痛い離脱となった。ブラジル戦を終えれば、連覇を狙う来年1月のアジア杯に向けた親善試合は11月のホンジュラス、オーストラリア戦の2試合だけ。絶不調に終わった今夏のW杯ブラジル大会後の再起を期した初戦は、試練の再出発となった。

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