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湘南 J最速で昇格!走るスタイル貫き走行距離は“ドルト超え”

[ 2014年9月24日 05:30 ]

J1復帰が決まり、サポーターの前で喜ぶ湘南イレブン

J2第33節 湘南2―2京都

(9月23日 西京極)
 湘南がJ2史上最速となる9試合を残してJ1昇格を決めた。敵地で京都と対戦し、後半39分にDF島村のミドル弾で追いつき、2―2で引き分け。3位・磐田が水戸に1―4で敗れ、自動昇格の条件となる2位以内が確定した。29日に来季のクラブライセンス交付が発表され、J1ライセンスが承認されて2季ぶりのJ1復帰が正式決定する。
【試合結果 順位表】

 後半39分、ドリブルで攻め上がったDF島村が左足でミドルシュート。ボールは湘南ファンが見守るゴール左に吸い込まれていった。今季2度目の先発となった元FWが決めた起死回生の一発で2―2の引き分け。2位以内が確定し、2年ぶり3度目のJ1昇格が決まった。「ヘディングは得意だが、左足はあまり練習もしていない。前が空いていたのでいけると思ったが、自分でもびっくり」と島村。チョウ・キジェ監督は「昨年J2に降格した時の、選手の悔しそうな顔が脳裏から離れない。島村のゴールは神様のプレゼント」と喜んだ。

 桁外れの強さだった。33試合で負けたのは1試合。9試合を残しての昇格決定は速すぎて、正式承認に必要な29日の来季クラブライセンス交付発表よりも先に成績上の条件を満たしてしまった。

 チョウ・キジェ監督は豊富な運動量をベースに全員が相手ゴールに向かって走り、パスワークやドリブルで攻める「湘南スタイル」を貫いた。一昨年、就任1年目でJ1昇格したが、1年で降格。だが、J1に残るための守備を固める戦いに切り替えることはしなかった。W杯ブラジル大会でもドイツなど走るサッカーが注目された。湘南もデータ計測で全選手が90分間に走る距離は約125キロ。参考データではドイツの強豪ドルトムントは約120キロで湘南が上回った。

 やり続けたことで、プレーの精度も高まった。今季はスタイルを貫くことに加えて勝つことにこだわった。この試合前、あえて選手に磐田の結果を伝えてプレッシャーをかけた。「これを乗り越えることが大事」とチームの成長を考えた。

 強すぎたおかげで9試合も“消化試合”になったが、フロントも盛り上がるよう仕掛けする。11月1日のホーム群馬戦で「CHAMPION」と入った特製のカップを1万4000個発注。来場者全員で乾杯して昇格を祝う企画を進めている。

 既に来季もチョウ・キジェ監督の続投が決定。「今度は残留できるようにしたい」(大倉社長)と、J1定着への戦いが始まる。

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