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代表猛デモ柏木弾 浦和3発で今季最大6差独走

[ 2014年9月21日 05:30 ]

<浦和・柏>前半、浦和・柏木(左)がゴールを決めて、李と歓喜のダッシュ

J1第24節 浦和3―1柏

(9月20日 埼玉)
 首位の浦和はホームで柏を3―1で下した。アギーレジャパン入りを目指す元日本代表MF柏木陽介(26)は自身の1ゴールを含む2得点に絡む活躍で、公式戦3連敗中の難敵撃破に貢献した。リーグ戦3連勝で2位以下との勝ち点差を今季最大の「6」に広げ、8年ぶりの優勝へ首位固めに成功した。

 ゴールへの道筋がくっきり見えた。1―0の前半28分、中央左寄りを走り込んだ柏木が李のヒールパスに反応。1タッチでペナルティーエリア内に進入すると、右足での2タッチ目でスライディングを仕掛けたDFをかわしながら中央に切り込む。最後は左足を豪快に振り抜き、決めた。「2タッチ目みたいな細かいタッチがメッシっぽかった。冗談やけどね」。司令塔らしく冷静沈着に、首位固めに導く一撃を決めて右拳を握りしめた。

 結果が欲しかった。今季リーグ戦では5月10日の大宮戦以来11試合ぶりの2ゴール目。当時はボランチ起用だったが、5月にエース原口がヘルタに移籍し、1列前で2シャドーの一角を任されてから初得点だった。リーグトップの11アシストを量産。好調を維持していたが「そろそろゴールを決めないとやばいと思っていた」。ゴールへの意識が3連勝を導いた。前半21分には素早いリスタートでの左FKで均衡を破る先制点を演出。昨季ナビスコ杯決勝から公式戦で3連敗していた柏をあっさり粉砕し、2位以下との勝ち点差を今季最大の「6」に伸ばした。

 優勝への渇望が柏木の原動力だ。06年に広島入りし、10年に浦和へ移籍した。しかし、プロ生活でタイトルと無縁。「今季は絶対に獲りたい。タイトルを獲ったことがないなんて嫌や」。広島時代からの恩師・ペトロヴィッチ監督も国内では無冠。「ミシャ(ペトロヴィッチ監督)に優勝をプレゼントしたい」という思いも好調の柏木の背中を押している。今季は攻撃だけでなく最終ラインにも顔を出して守備でも奮闘。「走行距離は意外にも(柏木)陽介が一番走っている」と宇賀神。チームメートも驚く運動量で中盤を支えている。

 12年以来日本代表から遠ざかっており、アギーレジャパン入りもモチベーションの一つ。日本代表の最近2試合を映像で見ると「このメンバーで選ばれていないのか」と悔しさが募った。「もちろん代表は狙っている。自信はあるし、調子を維持してチームで結果を残すことが大事」。首位固めに成功した浦和の司令塔がさらに輝きを増し、チームを頂点へと導く。

 ≪7シーズンぶり勝ち点差6≫首位の浦和が柏に3―1で快勝。2位の川崎Fが引き分けたために首位と2位の勝ち点差が今季最大の「6」に開いた。浦和が2位に勝ち点差を6以上つけて首位にいるのは07年以来、7シーズンぶりだ。

 ≪優勝確率80%?≫J1リーグは残り10試合。1シーズン制となった05年以降、残り10試合を切って、2位に勝ち点6差以上をつけた首位チームは(今季浦和の最大差は今節。最終節終了後の6差以上は除く)
年 チーム 最大差  最終
06浦 和 勝点6  優勝
07浦 和 勝点7  2位
09鹿 島 勝点7  優勝
10名古屋 勝点11 優勝
14浦 和 勝点6  ??
 今季の浦和が延べ5チーム目。過去の延べ4チームのうち3チームはそのままリーグ制覇。優勝を唯一逃したのが07年浦和で、残り4試合時の勝ち点7差を鹿島に逆転されてV逸している。

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2014年9月21日のニュース