×

宇佐美Vアシスト アギーレ監督の前で必殺スルー

[ 2014年9月21日 05:30 ]

<G大阪・C大阪>前半37分、阿部の先制ゴールを祝福する宇佐美(左から4人目)らG大阪イレブン

J1第24節 G大阪2―0C大阪

(9月20日 万博)
 G大阪のFW宇佐美貴史(22)は20日、ホームのC大阪戦で先制アシストなど2得点に絡む活躍を見せ、視察に訪れた日本代表のハビエル・アギーレ監督(55)に存在をアピールした。リーグ戦では11年3月以来、約3年半ぶりの大阪ダービー勝利。3連続完封の3連勝でチームも勝ち点を40に伸ばした。

 アギーレ監督が見つめる前で、エースが仕事をした。こう着状態が続いた前半37分、宇佐美がペナルティーエリアの外から阿部に低弾道のスルーパス。貴重な先制点をアシストし「うまくいかない中で一発で流れを変えるプレーをしないといけないと思っていた。相手の足の動きを見て、シュートからパスに変えた」と高精度のキラーパスに納得の表情を浮かべた。

 後半44分にはゴール前の二川へのパスが決定機を呼んで、佐藤のダメ押し弾にも絡んだ。シュートは前後半1本ずつでともに枠外に外れ、不発に終わって「(視察は)意識はしていなかった。2、3点取ってアピールできればベストだったけど、50点かな。もっと良さを出せたと思う」と反省した。それでも「チームを勝たせ続けていけば代表も見えてくる。今後も結果を残していくだけ」と前だけを見据えた。

 9日の日本代表―ベネズエラ戦では同じ22歳の武藤(FC東京)と柴崎(鹿島)がゴール。「自分も頑張ります」と負けん気の強さをのぞかせていた。さらにこの日はチーム内で新たな刺激も受けた。代表指揮官に宇佐美以上のインパクトを残したのが25歳の攻撃的MF阿部だ。宇佐美のアシストがあったとはいえ、鮮やかなトラップから先制点。攻撃だけでなく最後尾まで下がってピンチの芽を摘むなどアギーレ監督好みの豊富な運動量で貢献した。今季リーグ7点は宇佐美と並んでチーム得点王。阿部は「いつもこのくらいできれば。ガンバでコツコツと頑張りたい」と謙虚だったが、長谷川監督は「十分その(代表)レベルにある」と太鼓判を押した。

 ゴールこそ挙げられなかった宇佐美だが、W杯終了後に出場した公式戦14試合で10得点。この日も試合後は「でも(アピールは)この1試合だけではないので」とプライドをにじませた。今季ホーム最多となった1万9569人の前で戦った大阪ダービーでチームに歓喜をもたらした。競争相手の存在や勝利を刺激に変え、エースは代表復帰への道を切り開いていく。

続きを表示

2014年9月21日のニュース