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マンU 大リストラの効果出た!“260億円軍団”やっと真価

[ 2014年9月16日 14:00 ]

ゴールを決めたFWルーニー(中央)を祝福するマンチェスターUイレブン(AP)

 赤い悪魔が復活へののろしを上げた。昨季7位に沈んだマンチェスター・ユナイテッドは14日、ホームのQPR戦に4―0と大勝し、開幕4戦目で初勝利。今夏に加入したアルゼンチン代表MFアンヘル・ディマリア(26)、元U―23スペイン代表MFアンデル・エレーラ(25)が、ともに移籍後初得点を挙げるなど、移籍金総額で1億4850万ポンド(約260億円)をつぎ込んだクラブ史上最高の大型補強が、やっと結果に結びついた。

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 プレミアリーグ初勝利を地元ファンに祝福されても、ファンハール新監督は表情を崩さなかった。それでも、会見では「試合前に(選手へ)“新たなスタートを切ろう”と言った。重要なのは得点を挙げられたこと」。未勝利だった開幕3試合でわずか2得点だった攻撃陣が4ゴールを挙げたことを率直に喜んだ。

 初勝利の立役者は大金をつぎ込んだ新助っ人だった。今月1日の移籍期間終了から初戦となるこの日はディマリア、エレーラ、ブリント、ロホと新戦力4人を先発に起用。英史上最高の移籍金で獲得したディマリアは前半24分にFKで先制点を決めると、同36分には左サイドを突破して追加点の起点となるなど攻撃を活性化した。守備面ではボランチで起用したブリントが本領を発揮。オランダ代表でも指導したファンハール監督が「守備ができてパスも出せる。90分間走れる」と評価する“秘蔵っ子”がピンチの芽を摘むだけでなく、左足からの正確なパスで攻撃の起点となった。指揮官は「新加入選手はよく適応してくれた」と手応えを口にした。

 大リストラが結果に表れた。W杯ブラジル大会でオランダを3位に導いた名将は「私の期待と哲学を満たせない」という香川ら構想外選手を大量放出。その一方で09年のRマドリード(約360億円)に次ぐ史上2位の移籍金を使って大物を次々と獲得した。英BBC放送が「銀河系軍団となるか?それともパニック補強か?」と伝えるなど地元メディアも懐疑的だった大型補強は、この日に限れば大成功だった。システム変更も当たった。3―5―2から中盤をひし形にした4―4―2に替えた理由について「DFに負傷者がいたから」と説明したが、新加入選手の適応も考慮に入れた柔軟な対応は名戦術家の面目躍如といえた。

 「これが始まりだ。チームはもっと良くなる」とファンハール監督。この日途中出場でデビューしたコロンビア代表ファルカオをルーニー、ファンペルシーとどう絡めて起用するかなど、課題は残る。この日の相手も今季昇格した格下。開幕4連勝中のチェルシーなど上位との対戦で“新生マンU”の本領を試されることになりそうだ。

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