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新生・王者ドイツ 課題は後継者“物足りない”右SB&1T

[ 2014年9月9日 05:30 ]

<ドイツ・スコットランド>ルディ(右)はアシストの活躍も守備では…(AP)

 16年欧州選手権(フランス)の予選が7日、各地で開幕。W杯ブラジル大会で優勝し、史上3チーム目のW杯&欧州選手権連覇を目指すドイツはMFトーマス・ミュラー(24)の2得点などでスコットランドに2―1と辛勝した。前主将のDFフィリップ・ラーム(30)、FWミロスラフ・クローゼ(36)らがW杯を最後に代表から引退。就任8年目のヨアヒム・レーブ監督(54)は攻守の要が抜けた穴をどう埋めようとしているのか。王者の現状に迫った。

【D組順位表&日程】

 レーブ監督の抜てきが良くも悪くも結果に結びついた。前主将のラームが抜けた右サイドバック(SB)に起用されたのは、この日の先発で唯一W杯メンバーではないルディ。代表出場3試合目の24歳が、攻撃ではいきなりアシストを記録した。前半18分、ふわりとした右クロスをミュラーの頭に合わせ先制点を演出。指揮官は「よくやってくれた。ルディを使ったのは練習で良かったから。ボールを持てるし攻撃の起点になれる」と説明した。

 地元誌キッカーが「起用はサプライズ」と報じたのは、ルディが右SBでプレーするのが初めてだったからだ。所属するホッフェンハイムではボランチ。2日の親善試合アルゼンチン戦ではグロスクロイツが起用されたが、4失点と守備が崩壊したことを受けて急きょコンバートされた形だ。ただし、攻撃とは対照的に守備では不慣れな面が露呈。後半11分、攻め上がった裏を相手にカウンターで突かれて失点し、地元の評価も「特に真新しいものは見られなかった」(キッカー誌)と芳しくはなかった。

 王者ドイツの課題は代表を引退したスターの後釜探しだ。主将としてもチームをけん引したラームと、W杯とドイツ代表の最多得点記録を持つクローゼが抜けた穴は大きい。特にSBは本職外の選手を起用せざるをえないほど手薄で、キッカー誌によるとレーブ監督は試合前に「SBはあまり選択肢がない」と悩みを吐露していたという。1トップもアルゼンチン戦ではW杯代表落ちしたゴメス、この日はW杯決勝で決勝点を挙げたゲッツェが先発したが、ともに無得点に終わった。

 新主将のシュバインシュタイガーらケガ人が続出。12人のベンチ入り枠に8人しかいない状況でも、後半15分に右CKのこぼれ球からミュラーが決勝点を決めて白星発進したのは王者の底力と言える。しかし、フランス、スペインに次ぐ欧州選手権&W杯連覇を果たすためには、レーブ監督は右SBと1トップの後継者を見つける必要がありそうだ。

 ▼16年欧州選手権予選 今大会から本大会出場枠が16から24に増加。開催国フランスを除く53チームが9組に分かれてホーム&アウェー方式のリーグ戦を戦い、各組1、2位(計18チーム)に各組3位の最上位を加えた計19チームがまず予選を通過。各組3位の残り8チームがホーム&アウェーのプレーオフを戦い、勝った4チームが残りの出場権を得る。

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