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本田 右足股抜きで技あり開幕弾!屈辱W杯から逆襲が始まった

[ 2014年9月1日 05:30 ]

本田は、ガッツポーズで喜びを爆発させる

セリエA第1節 ACミラン3―1ラツィオ

(8月31日)
 日本のエースは俺だ!ACミランの日本代表MF本田圭佑(28)が最高の新シーズン1歩目を踏み出した。31日、本拠地でラツィオとのセリエA開幕戦で前半7分に右足でゴールを挙げた。1日からは親善試合ウルグアイ戦(5日・札幌)、ベネズエラ戦(9日・日産ス)へ向けた代表合宿もスタート。国内外の代表FW陣が続々ゴールでアピールする中、ハビエル・アギーレ監督(55)に“誰がエースか”を見せつけた。本田は2日に最高の状態で帰国する。

 本田が最高の幕開けだ。前半7分、左サイドを突破したイタリア代表FWエルシャーラウィがグラウンダーのクロス。右サイドを駆け上がってきた本田はGKの動きを見切った。右足で鋭く股を抜く先制ゴール。雄叫びを上げると、チームメートの歓喜の輪ができた。セリエAでは元日本代表MF中田英寿(ペルージャ)、FW森本(カターニア)、DF長友(インテル・ミラノ)に続く日本人4人目の開幕戦ゴール。VVVフェンロ(オランダ)、CSKAモスクワ(ロシア)でも開幕戦で決めており、3度目は岡崎に並ぶ日本人最多記録だ。

 1月に鳴り物入りで加入したが、リーグ14試合で1得点2アシストに終わった。「許すことができない数字。14試合ですか?今までの自分なら4、5点は取っていた。来年この数字ならサッカーを辞めても良いと思うくらい」と自らへの失望を隠さなかった。そして不振のまま挑んだW杯ブラジル大会では「優勝」を公言しながら1分け2敗。本田は1得点1アシストを挙げたが、1次リーグ敗退に終わり屈辱にまみれた半年間だった。

 だが、これまでも逆境を力に変えてきた。3連敗した08年北京五輪後は、パスではなく得点を奪うスタイルに変えた。CSKAモスクワ時代の10年には指揮官のボランチでの起用方針に反発して先発を外れたこともあったが、ゴールを重ねてトップ下の位置を奪い返した。本田の進化の陰には常に悔しさがある。そして、W杯ブラジル大会後は、自らの公式ブログで「出した答えと今後の決意表明」と題し(1)左足の強化(2)体づくりの見直し(3)経験値アップを目標に掲げた。

 言葉通り、ミランでの今夏のプレシーズンマッチではバレンシア戦で30メートルの弾丸FKを決め、TIM杯ユベントス戦でも巧みに相手マークを外して1得点。親善試合3試合連続得点でインザーギ監督の信頼を獲得した。強化ポイントの左足ではなかったが、13年11月19日の親善試合ベルギー戦以来の右足ゴールは28歳にしてさらなる進化を感じさせた。

 日本代表合宿に合流するため、2日に帰国する。「目標を変えるつもりはない。世界一は諦めない。世界一への作業が間違えていたなら、もう一度見つけたい」。本田は失意のブラジルで4年後のロシアへの思いを語った。新生代表は国内では武藤、皆川、森岡、海外組も大迫、柿谷と直近のリーグ戦で攻撃陣がゴールを決めた。アギーレジャパンではもう一度ゼロからの競争となるが、代表エースの座を簡単に譲るつもりはない。

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