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アギーレ監督 初視察で複数リストアップ「気に入った選手いる」

[ 2014年8月17日 05:34 ]

<浦和・広島>視察に訪れたアギーレ監督はファンの声援に応えてスタジアムに入る

 日本代表のハビエル・アギーレ新監督(55)が16日、埼玉スタジアムで行われた浦和―広島戦でJリーグを初めて視察した。浦和のペトロヴィッチ監督(56)と連絡先を交換するなど早速、独自の“Jネットワーク”構築に着手した。試合後は名前こそ明かさなかったが、浦和、広島からも複数の選手をリストアップしたことを明言。9月5日のウルグアイ戦(札幌ド)、同9日のベネズエラ戦(日産ス)に臨む23選手は28日に発表される。

 初めて足を踏み入れた埼玉スタジアムでアギーレ新監督が精力的に動いた。初視察の目的はピッチ上の選手を見極めることだけではない。試合前には浦和のペトロヴィッチ監督にあいさつし、すかさず連絡先をゲット。セルビア人指揮官からは「私は日本在住9年で、日本選手のメンタリティーや特徴を熟知している」と協力の申し出を受けた。早速、ネットワークづくりに成功し、大きな収穫となった。

 「代表、クラブの監督を経験してきた。Jリーグの各クラブとも良好な関係を築きたい」。アギーレ監督は、視察に同席した日本協会の霜田技術委員にそう打ち明けたという。今後も毎週、J1の試合会場に足を運ぶ予定だ。指揮官は選手選考においてはピッチ外の振る舞いも重視することを公言している。独自の“Jネットワーク”を築き、各選手の目に見えない情報も集めていく。

 試合中はメモ帳にも頻繁にペンを走らせた。浦和MF柏木のFKから阿部が得点したシーンでは身ぶりを交え、熱く語っていた。それでも試合後は「統率の取れた試合だ。気に入った選手も何人かいる。技術、戦術的にも素晴らしい選手がいたが、ここでは言えない」。本音の大部分はオブラートに包み隠した。

 11日の来日前から独自ルートで日本人選手の映像を入手。W杯出場選手、W杯代表でも出場機会のなかった選手、それ以外の選手を含め、手元には既に20~30人の“アギーレリスト”がある。その上で浦和―広島戦を視察。メキシコ、スペインのクラブで監督を歴任してきた指揮官は「競争力のあるいいレベルだ。外国人のいない試合だったが、球際も弱いとは感じない」と手応えを得た。

 埼玉スタジアムがW杯予選でも使用する競技場と説明されると「奇麗で素晴らしい。日本は整っている」と感心したという。一緒に来たシルビア夫人、次男ミケル氏とはあえて別席に座り、自身のミッションを全うした指揮官。近日中には都内への引っ越しを済ませ次回は20日の天皇杯を視察予定だ。休む間なく、独自のJネットワークを拡大させていく。

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