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新生鳥栖“空回り”戦術後手…吉田新監督「経験がないので」

[ 2014年8月12日 05:30 ]

<広島・鳥栖>前半、ゴールを狙う鳥栖・豊田(右から2人目)

J1第19節 鳥栖0―1広島

(8月11日 Eスタ)
 台風の影響で9日から延期となった1試合が行われ、首位の鳥栖は0―1で広島に敗れた。尹晶煥(ユンジョンファン)監督の電撃解任後、初めての試合は敵地で劣勢を強いられ、後半36分に途中出場のFW皆川佑介(22)に決勝弾を決められた。鳥栖は勝ち点37のままで、勝ち点、得失点差、総得点も同じとなった浦和と首位に並んだ。

 激震の鳥栖は最後に力尽きた。尹晶煥監督を電撃解任し、吉田恵監督が急きょ内部昇格するドタバタ劇で臨んだ一戦は、0―0の後半36分に左サイドのクロスから失点。J1、J2通算で1勝1分け11敗と苦手の広島にまたしても屈した。

 「(自分自身の)実戦の経験がないので交代が遅れた。皆川選手が入った時、もう少し早く手を打てばよかった」。吉田監督が硬い表情で振り返ったように、これまでJリーグでの監督歴はなく、後半29分に3枠を使った広島に対し、最初に動いたのは同32分。1メートル86の皆川を投入した広島のパワープレーへの対応は後手に回り、その長身FWに決勝点を献上した。

 首位を走るチームに起きた突然の「お家騒動」。さらに9日に予定されていた広島戦は台風11号の影響で延期。チームは広島市内にとどまっての調整を余儀なくされた。そんな中でも選手は冷静だった。独自に選手ミーティングを行い「やることを数日で変えられない」(藤田主将)との結論に至った。チーム名の由来である小さな砂粒が固まって一つになる「砂岩」のように再度結束。広島にボール支配されながら、いつものような分厚い守備ブロックで対抗し、最少失点で耐えた。

 敗れはしたが浦和とは勝ち点、得失点差、総得点でも並び、首位にとどまった。監督解任の影響を問われた豊田は「うまくいかなかったわけではない」と言い切った。それは、指揮官が代わっても自分たちのサッカーを貫くという決意の表れだった。

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