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アギーレ監督 選手に求める「コンプロミソ」 キーワードは“3C”

[ 2014年8月12日 05:30 ]

<ハビエル・アギーレ日本代表監督就任会見>笑顔を見せるアギーレ監督

 日本代表のハビエル・アギーレ新監督(55)が11日、羽田空港着の航空機で来日して東京都内のホテルで就任会見に臨んだ。18年W杯ロシア大会出場を目標に掲げた指揮官はチームづくりのキーワードに責任や義務、約束を意味するスペイン語の「Compromiso(コンプロミソ)」を掲げた。ユース年代の育成、全選手を視察することなどを明言し“総監督”として日本代表の再生に踏み出す。

 無数のフラッシュを浴び、日本代表のアギーレ新監督は自身のサッカー哲学を語りだした。共に来日したシルビア夫人、次男ミケル氏らが見守る中、就任会見の壇上に上がった。時折笑顔を交えていた新監督の表情が勝負師のそれに変わったのは選手選考、チームをつくる上でのキーワードを挙げた時だ。

 「スペイン語と同じニュアンスで伝わるか分からないが、コンプロミソだ」。義務や責任、約束を果たすなどを意味するスペイン語。そこに新監督が選手に求めるハードワークと高いプロ意識がうかがえた。会見では他にも「諦めず競い合う」姿勢を表す「Competitivo(コンペティティーボ)」や「献身的に深く関わる」という意味の「Comprometido(コンプロメティード)」など独特の語録が登場した。これら「3C」がアギーレジャパンの神髄となる。

 選手時代、86年W杯メキシコ大会に出場も準々決勝の西ドイツ戦に0―0(PK1―4)で敗退した。自身も自国開催でPKを失敗し、悔し涙に暮れた。だからこそ責任、献身、競争の大切さが身に染みている。「たくさん走る、良いプレーをする、そして勝つこと。シンプルだ。国を背負って戦うことを肝に銘じてほしい」。口調はどんどん熱を帯びた。

 選手選考については将来性、国を背負う気概、チームプレーのできる選手を条件に挙げた。その上で「自分で見ることを重要視したい。日本、海外、全ての選手にドアを開けている」と言った。過去の実績は関係ない。今週末から可能な限りJ1会場にも足を運ぶ。従来の監督と違うのはピッチ外にも目を光らせる点。「試合以外の行動も見ていきたい」。選手にはピッチ内外で代表戦士にふさわしい資質を求む。

 会見冒頭では「ユース年代の育成にも関心を持っている」と明言。12年ロンドン五輪では準決勝でメキシコに敗れたものの4強に躍進した関塚ジャパンに鮮烈な印象が残ったという。16年リオ五輪を目指すU―21代表も活動開始。A代表のコーチも兼任する手倉森監督と手を取り合い日本サッカーの底上げを指南する。つまり“総監督”の立場で若手にも厳しく接していくことになる。

 日本協会とはこの日、18年W杯ロシア大会までを見据えた契約書にサインした。初陣は9月5日のウルグアイ戦。新監督は早くも「試合が迫っている。やる気いっぱいだ」と闘志をたぎらせた。屈辱のW杯ブラジル大会の1次リーグ敗退から約1カ月半。メキシコの闘将率いる新生日本代表がいよいよ船出する。 

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