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香川 途中出場で逆襲アシスト、11万人酔わせた レアル撃破!

[ 2014年8月4日 05:30 ]

レアル・マドリード戦の後半35分にゴールを決めたFWエルナンデス(右)抱き合い喜ぶ香川(AP)

ギネス杯・A組 マンチェスターU3―1レアル・マドリード

(8月2日 ミシガン)
 米国遠征中のマンチェスター・ユナイテッドは2日(日本時間3日)、レアル・マドリードと親善大会ギネス杯で対戦し3―1で勝利した。日本代表FW香川真司(25)は後半16分から本職のトップ下で出場し、今季初アシストをマーク。決勝進出を決める3点目を演出した。リバプールとの決勝は4日(同5日)にマイアミで行われる。インテル・ミラノの日本代表DF長友佑都(27)はローマ戦で得点し、2―0の勝利に貢献した。

 約11万人の大観衆が埋めた会場を熱狂させたのは、香川だった。2―1の後半35分。右サイド寄りでフレッチャーからボールを受けると、右足で2タッチしながら味方の動きを確認。ファーでDFラインの裏に抜けたメキシコ代表FWエルナンデスを視界に捉えると、右足で浮き球を絶妙の位置に上げた。エルナンデスが頭で押し込み、チームを決勝に導く“今季初アシスト”。エルナンデスと抱擁する姿に、大きな歓声が湧き起こった。

 定位置奪取に苦闘が続く状況で結果を出した。今回の遠征4試合で先発はゼロ。最初の2試合は不慣れなボランチでの起用など困難な状況にあったが、2戦連続で本職のトップ下に入ったこの日は香川らしさが随所に表れた。後半25分にゴールを背にしてボールを受けると左足アウトサイドでタッチ。DFを置き去りにし、体を反転させながらエルナンデスにループパスを送った。30分にはFKのこぼれ球に反応し鋭い振りでシュートを放った。ここまで3試合は後半開始からの出番だったが、決勝進出が懸かったこの日は勝負に徹して先発組を引っ張ったため後半16分から出場。それでも限られた時間で結果を残し、試合後は歩み寄ったポルトガル代表FW、C・ロナウドと握手。香川はコメントを残さずにバスに乗り込んだがファンハール監督は「(3点目は)香川のいいお膳立てがあって生まれたもの」と絶賛した。

 大舞台で上昇気流に乗った。観衆10万9318人は84年ロサンゼルス五輪決勝のブラジル―フランス戦(ローズボウル)の10万1799人を超えて米国サッカー史上最多の動員。香川は試合中にウエーブが起こるなど独特な米国の競技場に「いい雰囲気」と語っており、心地よい緊張感の中で奮い立った。英紙デーリー・メールの評価はトップ下を争うスペイン代表MFマタと同じ「6・5」。新監督の下、初めてトップ下に入った7月29日のインテル・ミラノ戦から輝きが戻ってきた。

 4日にはリバプールと決勝が行われる。「1年目は優勝できたけど2年目はつまずいて、プレミアリーグの難しさを感じている。今シーズンは新しい監督の下で自分がやれることにチャレンジしていきたい」。放出候補とも報じられた香川の逆襲はここから始まる。

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