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香川 定位置獲りへアピール延長戦…指揮官見極め「猶予は1カ月」

[ 2014年8月3日 05:30 ]

ルーニー(左)と話しながらランニングする香川

 マンチェスター・ユナイテッドの日本代表FW香川真司(25)の生き残りアピールに“延長戦”が用意された。ルイス・ファンハール監督(62)が1日の会見で、当落線上の選手について夏の移籍期間ギリギリまで見定めることを明言。米国遠征で持ち味を発揮し切れていない香川にとっては、歓迎すべき状況になった。

 名将ファンハール監督が、香川に救いの手を差し伸べた。レアル戦の前日会見で移籍の可能性のある選手について問われると「自分のチームの選手をしっかり見たい。彼らには平等なチャンスを与える。猶予は1カ月ある」と語った。当初は香川ら序列が低いとみられる選手を早期査定する意向だったが、米国遠征後もチームに必要な存在か見極める考えを示した。

 香川の評価は変わりつつある。マンUは昨季の4―2―3―1から3―5―2へシステム変更。当初は不慣れなボランチ起用だった香川は7月29日のインテル・ミラノ戦で本職のトップ下に入って存在感を示した。スペイン代表MFマタがファーストチョイスながら、試合後に指揮官は「彼(香川)に10番でもプレーするチャンスを残したい」と発言。会見で香川の昨季スペイン王者Aマドリード移籍の可能性が報道された件に関しても「いつもの噂」と一蹴した。

 欧州主要リーグで今夏は9月1日までとなる移籍期間には、バレンシアとのプレシーズンマッチ(12日)、スウォンジーとの開幕戦(16日)を含むリーグ戦3試合が残される。昨季リーグ無得点でW杯でも不本意な結果に終わった日本代表にとって、生き残りを懸けたアピールが増えるのは願ってもないチャンスだ。さらにチーム関係者は「香川には日系企業のスポンサーが付いているから移籍は難しい」と打ち明ける。クラブは今季から日清食品グループとグローバル・パートナーシップ契約を締結するなど、香川の果たす商業的な価値も再確認されている。

 2日のギネス杯レアル・マドリード戦へ向けた1日の公式練習で香川は控え組のビブスを着けて練習した。「結果を残すしかない」と話す日本の司令塔は“延長戦”でピッチ内での存在価値を高め、定位置奪取への道を切り開く。

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2014年8月3日のニュース