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宇佐美先制弾!J本格再開“大暴れ”でロシアW杯へ好スタート

[ 2014年7月20日 05:30 ]

<G大阪・甲府>前半9分、先制ゴールを決め、歓喜のポーズの宇佐美

J1第15節 G大阪2―0甲府

(7月19日 万博)
 W杯ブラジル大会で中断していたJ1が本格的に再開し、G大阪はFW宇佐美貴史(22)が1得点1アシストを記録する活躍で甲府に2―0で快勝した。18年W杯ロシア大会出場を目指す元日本代表のストライカーが再開初戦で最高のスタートを切った。

 技術とアイデア、落ち着きが凝縮されていた。前半9分、ドリブルで相手を引きつけてDFオ・ジェソクにパスした宇佐美。リターンを受けるとDF2人に寄せられながらペナルティーエリア内でループ気味にシュートした。放物線を描いたボールは鮮やかにネットに吸い込まれた。「高さ、コース、速度、全てがイメージ通り」。DFの出す足の角度、相手GKの位置を瞬時に確認し、敵将の城福監督をして「あのタイミングで蹴れる選手はいない。勉強になった」と言わしめる一撃だった。

 同26分にはFW倉田の反転トラップからの芸術的ボレーをアシスト。全得点に絡む活躍を見せたが、満足感はない。運動量が落ちた後半27分にはベンチに退き「自己採点は20点。得点で10点、アシストで10点。あとは何も貢献できなかった」と反省した。「次のロシアW杯は中心選手としてやりたい」。根底にある思いが、妥協を許さなかった。以前は守備の軽さを指摘されたが、奪われたボールを取り返しに行く姿勢に成長が見えた。それでも「取られなければ取り返しに行く必要がない。取られない選手が理想」と言ってのけた。揺るぎない自信がある。

 逆転でのW杯ブラジル大会出場を誓い、今季にかけていた。肉体改造に取り組み、体重や筋力測定の数値が昨季に比べて大幅に上昇。鼻の通りを良くする手術も受けた。しかし、開幕前に左腓骨(ひこつ)筋腱脱臼に見舞われて落選。その悔しさをモチベーションに変えた。リーグ中断期間中に米MLSに移籍したDF加地から「日本代表でも活躍して」とエールを送られた。期待に応えるためにも「もっとやらないと話にならない」と自身を戒める。心身ともにたくましさを増した22歳が18年W杯が行われるロシアに向け、確かな一歩をしるした。

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