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メッシ ピッチに立ち尽くす…86年「マラドーナの伝説」再現できず

[ 2014年7月14日 06:38 ]

決定機を作れず天を仰ぐメッシ(AP)

W杯ブラジル大会決勝 アルゼンチン0―1ドイツ

(7月13日 リオデジャネイロ)
 マラドーナを擁してW杯を制覇した1986年の再現、28年ぶりの戴冠はならなかった。ドイツとの頂上決戦でアルゼンチンは延長の死闘の末に涙。主将としてチームをけん引したメッシもピッチ上でぼう然と立ち尽くした。「神の手」「ドリブル5人抜き」など、アルゼンチンのサッカーの歴史の中で語り継がれた「マラドーナ伝説」。そこに「メッシの伝説」を新たに刻むことはできなかった。

 決勝トーナメントではメッシ包囲網の前に厳しい展開が続き、準々決勝のベルギー戦ではディマリアが右太腿を負傷。チームの“生命線”を欠いた。そんな中でも決勝へと駒を進めた背景には守備陣の奮闘。決勝トーナメント初戦から3戦連続無失点のその固いディフェンスが、延長後半8分、ドイツ攻撃陣に一瞬の隙をつかれた。

 「サッカー選手としてW杯優勝は最高の偉業」と話していたメッシ。試合前、自身のフェイスブックに「アルゼンチンのユニホームを着て人生で最も重要な試合になる」と記し、決戦に臨んだ。前半9分、右サイドでボールを受けるとドリブルでペナルティーエリア深くまで侵入して折り返すが、味方には合わず。後半2分には、スルーパスに反応してエリア進入して左足を振り抜いたが、ボールはゴール右へ。試合終了間際には自ら獲得して蹴りこんだFKがクロスバーを大きく越えて天を仰いだ。

 4年連続でバロンドールを獲得し、バルセロナで欧州CLやクラブW杯、代表でも08年の北京五輪を制するなど、あらゆるタイトルを獲得している中で、唯一足りなかったW杯での優勝。今大会4得点とエースとして結果は残したが、その輝かしいキャリアの中に最高の偉業を加えることはできなかった。

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