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ドイツの圧倒的優位は動かず…初の米大陸 欧州王者誕生が濃厚

[ 2014年7月13日 11:15 ]

明るい表情で練習するドイツの選手たち(AP)

 W杯を制するのは、ドイツかアルゼンチンか?。13日午後4時(日本時間14日午前4時)に行われる試合の見どころをサッカージャーナリスト粕谷秀樹氏に聞いた。

 準決勝はブラジルに7―1の圧勝。試合間隔は中4日。主力で体調を崩している選手は見当たらず、ドイツはほぼ万全の状態で決勝を迎える。また、ノイアー、ラーム、ボアテンク、シュバインシュタイガー、ミュラー、クロースと、バイエルンで同じ飯を食う選手がスタメンの半数近くを占めるため、試合展開によって戦術を柔軟に変更できる“日常性”も強さの秘密だ。

 一方、アルゼンチンはPK戦の末にオランダを破ってファイナリストとなり、インターバルは中3日。準々決勝で右大腿部を痛めたディマリアのフル稼働は難しく、アグエロもシーズン中に故障した鼠蹊部、アキレス腱の状態が思わしくない。決勝に向け、攻撃の主戦がアクシデントに遭遇したことは大きなダメージだ。

 特にディマリアは負傷に倒れるまで、豊富な運動量でメッシの負担を軽減してきただけに、準決勝のオランダ戦で多くの時間を守りに費やした要因は、ディマリア不在といっても過言ではない。

 アルゼンチンは試合を重ねるごとに守備陣が安定し、DFラインの前で体を張るマスケラーノのプレーは感動的だ。メッシも決定的な仕事で決勝進出に貢献した。

 しかし、今大会のドイツはポゼッションが冴え、縦に速く、そのうえ組織的だ。アメリカ大陸で行われたワールドカップで、ヨーロッパの国は一度も優勝していないというジンクスは気になるものの、さまざまな条件でドイツが圧倒的に上まわっている。歴史は、覆るかもしれない。

 ◇粕谷秀樹(かすや・ひでき) 東京都・下北沢生まれ。「日本スポーツ企画出版社」にて週刊サッカーダイジェスト副編集長、月刊(後に月二回刊)ワールドサッカーダイジェスト初代編集長、同社の編集局次長などを経て、2001年に独立。現在は「スカイパーフェクTV!」、「Jスポーツ」などで、欧州チャンピオンズリーグ、プレミアリーグの解説者として活躍中。

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