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古巣相手に岡山劇場!奈良クラブが仙台撃破 「人生一番」のV弾

[ 2014年7月13日 06:01 ]

仙台に逆転勝ちし、GKシュナイダー(右)と喜ぶ奈良ク・岡山

天皇杯2回戦 奈良クラブ2―1仙台

(7月12日 ユアスタ)
 カテゴリーは変わっても、勝負強さのDNAは息づいていた。奈良県代表の奈良クラブ(関西社会人リーグ)にとって、超格上相手のアウェー戦。J1仙台に1点を先行されながら後半30分に追いつき、41分にクライマックスが訪れる。FW鶴見が相手からボールを奪取し、ゴール前に絶妙なパス。そこに走り込んだのが、途中出場の岡山だ。柔らかいタッチの決勝弾。勝利を確信していたイエロー一色のスタンドが沈黙し、敗戦のホイッスルに落胆した。

 「自分のサッカー人生一番のゴール。他のJリーグのチームにもどんどん勝っていきます」

 古巣相手の“下克上”に、ヒーローの雄叫びが響く。かつてC大阪、川崎F、柏で活躍した名物男。A・猪木ばりのマイクパフォーマンスで「岡山劇場」を演出してきた36歳は今季から関西社会人リーグに戦場を求めていた。クラブはNPO法人でボランティア活動に力を入れる一面も。ただ、1回戦でJ3の福島にも快勝しており、フロックでこの勝利を片づけるわけにはいかない。

 「(前半に)失点したが、後半からの勝負は予定通り」。青写真を実践した金星に、中村監督も力強くうなずく。初の3回戦進出では、J2磐田と激突。J全3カテゴリー撃破も、あながち夢物語ではない。

 ▽NPO法人奈良クラブ 設立は1991年(当時の名称は都南クラブ)。92年に奈良県社会人リーグ教育リーグに初参戦し01年に同県1部リーグで初優勝。08年に現在の名称となり、同年に関西社会人2部リーグ、09年に同1部リーグへ昇格を果たす。今年1月から中村敦監督が指揮を執る。ホームタウンは奈良市を中心とする奈良県全体、ホームスタジアムは奈良市の鴻ノ池陸上競技場(3万600人収容)。クラブカラーは青と赤。

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2014年7月13日のニュース