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奇跡の連覇62年と酷似…救世主待つブラジル 最有力はウィリアン

[ 2014年7月8日 05:30 ]

会見で笑顔を見せるブラジルのウィリアン(AP)

 史上最多6度目の優勝を狙う開催国ブラジルは8日(日本時間9日午前5時)、W杯準決勝でドイツを迎え撃つ。エースのFWネイマール(22=バルセロナ)が腰椎骨折で離脱した中、代役はMFウィリアン(25=チェルシー)が有力視されている。62年チリ大会で負傷離脱したペレの代役として出場し、ブラジルを優勝に導く活躍を見せたアマリルドのような救世主になれるか。ブラジルが大一番を迎える。

 ブラジル中が救世主の登場を待っている。ネイマール離脱でチームが危機を迎える中、70年メキシコ大会時の主将カルロス・アルベルト氏は「62年大会で我々はペレを失ったが、代わりに出場したアマリルドが2つ目の優勝カップをブラジルにもたらした」と語り、「ガリンシャのように目覚める選手が現れるかもしれない」と付け加えた。

 62年チリ大会。第2戦チェコスロバキア戦でペレが太腿を痛め離脱した。代役で出場した22歳のアマリルドは次戦スペイン戦で2得点、決勝でも同点ゴールを決めて4試合で3得点と活躍。また主力のガリンシャが4得点を挙げて貢献した。2人がペレの穴を埋めてブラジルは連覇を達成。往年の名DFは、今回と状況が似ている52年前のように母国を救う選手が現れることを願っている。

 最有力候補がウィリアンだ。控え選手中心で地元ユースチームと対戦した6日の練習試合でもネイマールのポジションに入った。5日の練習でエルナネスと接触。腰を痛めて途中で引き揚げたがプレーに支障はない。今大会3試合に途中出場したウィリアンは「誰もネイマールのまねはできない。僕は彼とスタイルが違う。彼はストライカーで、僕はパスでチームメートを生かす。監督が使ってくれたら全力を尽くす」と決意を示した。

 心強いのはチェルシーの同僚オスカルの存在。ベルナルジ、ラミレスらも「代役候補」に挙がる中、先発が確実視されるのは2人の連係に対する期待があるからだ。自身も「多くの試合で一緒にプレーしているから互いの特徴が分かっている」と自信を持っている。

 オスカルは全5試合に出場しながら1得点と実力を発揮できていない。「大事なことはチームとしてプレーすることだ。ネイマールの代わりに誰が入っても頑張ってくれると思う」と結束を重視する背番号11には、チャンスメークとゴールを決める役割が求められる。

 ウィリアンがアマリルド、オスカルがガリンシャになればチリ大会の再現もあり得る。まずは準決勝ドイツ戦。ウィリアンは「ネイマールがいないのは悲しいが、僕らは強くなったし、タイトルを獲る夢を追い続ける」と語気を強めた。

 ◇ウィリアン 本名ウィリアン・ホルジェス・ダシルバ。1988年8月9日、ブラジル・サンパウロ州出身の25歳。コリンチャンスの下部組織で育ち、05年トップチーム昇格。シャフタル・ドネツク(ウクライナ)、アンジ・マハチカラ(ロシア)を経て13年からチェルシー。11年11月の親善試合ガボン戦で代表デビュー。国際Aマッチ通算10試合2得点。1メートル76、72キロ。

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