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南米対決 コロンビアが圧倒的有利も…侮れないウルグアイの精神力

[ 2014年6月28日 14:05 ]

ウルグアイ戦へ向けて調整するコロンビアのハメス・ロドリゲス(右)とイバルボ(AP)

W杯決勝トーナメント1回戦 コロンビア―ウルグアイ

(6月28日 リオデジャネイロ)
 W杯ブラジル大会はいよいよ決勝トーナメントに突入。ブラジル―チリ、コロンビア―ウルグアイの南米対決2試合で幕を開ける。FIFAランク8位のコロンビアと同7位ウルグアイの実力伯仲の対決の見どころは――。サッカージャーナリスト粕谷秀樹氏に聞いた。

 3戦3勝。グループCを難なく突破したコロンビアの特徴は、“非ポゼッション”だ。高度なボールスキルを誇る中南米の強豪が、コートジボワール戦と日本戦は45%、さらに、ポゼッションとは縁遠い闘い方が特徴のギリシャと相対した場合も46%。1試合平均のボール保持率は50%以下で、ボールキープにはこだわっていない。

 しかし、ポゼッションを苦手にしているわけではなく、中盤とDFラインで小気味よいテンポのパスをつなぎつつ、相手DF陣の隙をついて必殺のカウンター。ロドリゲスのポジショニングとパスセンス、バッカの得点嗅覚、クアドラードのスピードなどで、グループリーグは段違いの強さを見せつけた。

 一方、ウルグアイは苦しんだ末の決勝トーナメント進出だ。シーズン中の疲労、疲れを引きずっている選手が多く、とくにカバーニは精彩を欠いている。フォルランのコンディションも万全には程遠い。そしてスアレスがイタリア戦の愚行──キエッリーニにかみつく──で、今大会から追放された。従ってウルグアイのプランは、専守防衛からPK戦に持ち込むしかないだろう。

 ただし、彼らは精神的に非常にタフだ。少々の逆境で挫けることはない。また、スアレスに対する処分は不当、彼に勝利を捧ぐというモチベーションが喚起されている事実も要警戒だ。今大会のパフォーマンスを踏まえればコロンビアが圧倒的に有利とはいえ、ウルグアイの勝負根性を甘く見ると痛い目に遭う。

 ◇粕谷秀樹(かすや・ひでき) 東京都・下北沢生まれ。「日本スポーツ企画出版社」にて週刊サッカーダイジェスト副編集長、月刊(後に月二回刊)ワールドサッカーダイジェスト初代編集長、同社の編集局次長などを経て、2001年に独立。現在は「スカイパーフェクTV!」、「Jスポーツ」などで、欧州チャンピオンズリーグ、プレミアリーグの解説者として活躍中。

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